● HDTV覚書「表現とは<何を見せないか>ということだ。4K/8Kから新『捻じ曲げ族』が生れるだろうか?」(前川英樹)
[補・国際規格と“Completely independent from NHK”]
HDに関わることで教えられたもう一つは、国際規格ということだった。
国際規格として認められなければ、機器の輸出入だけでなく、サービス(放送も番組も)認知されないのだ。NHKが国際会議で何故あんなに頑張るかと言えば、NHKが開発した企画が国際規格として認知されることで、ハードもソフトも世界的に主導権が取れるからだ。
NHK=日本規格の[1125/60]やミューズという伝送方式をCCIR(いまなら、ITU)で国際規格化しようとしたのはそういうことであり、日本メーカーの市場支配を拒もうとして、EUREKA(ユーレカ)というヨーロッパ方式[1250/50]が実用化の可能性とは別に根強く主張されたのだった。こうしたことをモントルーでも東京でも解説してくれたのはTBSの清水孝雄君だった。走査線、1秒間の画像の枚数、飛び越し走査と順次走査、アスペクトレシオ、スタジオ規格と伝送規格、NTSC,ATSC,ATTC,DVB,などなど、テレビ技術の基礎の基礎を教わった。
彼は国際会議に参加して、NHKや郵政省のメンバーに伍して発言してきた数少ない民放メンバーとして苦労していた。もちろん、国際会議では日本を代表するのだから郵政省の一員になるのだが、会議が終わって各国と交流するときの話としてこういうことを言っていた。「前川さん、挨拶するとき“My name is **** from TBS,Tokyo Broadcasting System”というでしょ。その後に、“TBS is completely independent from NHK”と言って下さい。でないと、あいつらTBSをNHKだと思ってしまう。日本にNHKじゃないテレビ局があるなんて知らないんですよ。」
<門外不出>も凄いけど、<completely independent from NHK>もなかなか凄い。しかし、確かに民放の存在理由はここにある。そういうところでもTBSは頑張っていたのだった。彼からは、無線の世界の国際的な仕組みやデジタルの基礎などをとても丁寧に教えてもらった。感謝している。
清水君、紘平君、のり子、そしていろんな個性的なメンバーに・・・この世界で良いスタッフに恵まれたな、ぼくは。
前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール
1964 年TBS入社 。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳の ある日突然メ ディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジとい うポストアナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010 年6月”仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にして いる。「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸 隠。
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