あやぶろ/OLD

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20135/30

パブリックとソーシャル

パブリックとソーシャルネットワーク

 

さて、そこでパブリックを基にある種の権力がある意図(悪意かもしれない)を持ってソーシャルネットワークを利用したらどうなるであろうか。
ネット・ソサエティの構成員は、無批判に「いいね!」を押してしまうのではないか。
FBIのボストン事件TOPページは10万回以上TwitterやFacebookで共有・拡散されている。その情報が「正しい!」と考えたのはFBIであり、本来それを検証すべきマスメディアの手を通らずに、ソーシャルネットワークを通じてパブリック空間に共有されていくのである。
パブリックに尽くす側だって、悪いこともする、間違えることもあると考えるほうがいまや自然だろう。
事件発生後2日目まではマスメディアも独自に入手した素材で可能性を語っていた。それが、3日目にFBIは容疑者の映像をウェブ公開して、これ以外の素材は捜査をミスリードさせると言って、情報を統一させようとした。
そして、その映像・画像はマスメディアとソーシャルネットワークを通じて共有・拡散された。
その無批判性が違和感を持った理由だろう。
FBIは「パブリック(The Public)の目と耳が頼りだ」と言ってパブリックと寄り添う姿勢は崩さない。パブリックを代表してるという立場は保つ。
しかし、だからといって、パブリックの一員であるマスメディアのレポートを非公式で信頼性に欠ける(ものもある)と言い切れるのか。
マスメディアは、「FBIよ。それは間違ってる」と言う自由だってあるはずだ。
FBIとマスメディアが対峙したら、FBIはソーシャルネットワークを使うだろう。そのとき、ソーシャルネットワークは「メディア」としての機能を発揮できるのか?(3.11から少し変わったのだろうか。大震災後の自分のポストを参照)

 

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