Playするテレビ(志村一隆)
第1回あやぶろナイト終了。氏家さんが早速原稿をポストしてる。
「あやぶろ」=「ウェブ+リアル」で発展するために、自分もあやぶろナイトの「あや」を取ってみよう。
接近するメディア
ネット黎明期、「テレビは3メートル、パソコンは30センチのメディア」という議論があった。テレビは3メートル離れ、ソファにもたれながら見るメディアで、パソコンはなにかを調べるため、前屈みになって接触するメディアである。
ゆえに、両者は融合しない。というネットとテレビの融合論に対するテレビ側の言い訳だった。
あやぶろナイトで、境さんのお姉様が「半沢直樹」を知り、スマホで検索して、そのままオンライン動画サイトで半沢直樹を見たという話があった。
話題のテレビ番組を知り、テレビのリモコンでなくスマホを手にする。これはいまのテレビの置かれている状況を象徴的に表してないか。
10年前、「テレビは3メートル」なんて強がらず、視聴者にもっと近づいているメディアが出現したことに気づいていれば、いまさらセカンドスクリーンやソーシャルテレビなどと言わずに済んだろう。
つまり、この10年で、テレビと視聴者の3メートルの間に、ネットが入り込んだ。いまでは30センチどころではない、ウエラブル(Wearable:身につける)といって、メガネや時計といった身につける距離ゼロの地点まで接近してる。
テレビはそうした新しいスクリーンにどう関わるのだろうか。
半沢直樹が有料だったら
テレビとネット。どっちもタダなんだから、ユーザーはロイヤリティを感じない。利便性の高いサービスが競争優位となるだけだ。
じゃあ、もし「半沢直樹は特別だ。有料にする」とテレビ局が言ったら、どうだろう。
仮に最終回だけ「50円」払ってくださいと、初回放送前に言っておく。
もし、視聴率40%=4,000万人(世帯)の5分の1が50円払ったとして、50円×800万人=4億円の売上。
氏家さんが、ドラマの制作費は1本4,000万円だと言っていたから元は取れそう。
それに、TBSのタイム+スポット収入を日割りにすると、4.76億円(2013年4-6月433億円/91日=4.76)去年1年間だと4.72億円/日。
800万人×50円で4億円。
そんなに悪くない。
視聴率・マス広告の呪縛はそのままに
いや、そんな有料といっても、どうやって課金するの?「放送」は広く遍くが宿命でしょ?マス広告がダメなら、データ取ってターゲティングしたらどうなの?
テレビ広告のデジタル化。そんな考えも浮かぶだろう。
けれど、この思考は、ちょっと古い。
デジタルデータでターゲティングの精緻化を図った広告業界。4年前に起きたアドテクノロジーは、自分もイノベーションと思った。
けれど、いまや誰もがリターゲティング広告の面倒くささを知っている。つまり、広告が精確になればなるほど、人はその広告から逃げる。
まだ表面化していないが、インターネットの影響の第2弾「質的な変化」が広告市場でも起こるだろう。(その一翼がのめりこませる技術であり、ゲーミフィケーションである)
つまり、テレビ局がビッグデータのマネタイズ手法としてテレビ広告の精緻化を議論するのはもう遅い。
というか、放送は放送でしかない。
だったら、視聴率議論はそのままに、年間2,000-3,000億円の広告収入を、新たなビジネスに投資したほうがいい。
コメント
ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより
リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…
この記事へのコメントはありません。