1・25【EXPERIENCE体験3 – モバイル化ってなーに?CES2013編】志村一隆
車載カメラで無人運行した(CES2013 のToyotaブース)
BORN MOBILE
CESを直訳すると「家電見本市」。最新のテレビや冷蔵庫が展示される。会場の広さはビッグカメラの10店分くらいある。
そこに、数年前から自動車も展示されるようになった。「電気」自動車はモチロン、スマホをカーナビ代わりにしたり。自動車も家電の一部なんだ。
その「家電見本市」のいちばん最初に行われた講演会(ということは一番大切な)のテーマは、“BORN MOBILE” だった。
“BORN” も “MOBILE” も中学校で習う単語だ。「生まれる」と「モバイル=動き?」誰もが意味を知っている。だけど、2つ並ぶとよくわからない。冷蔵庫もテレビも動かないし。
モバイル「機器」じゃない、モバイル「化」
じゃあ「モバイル」ってなんなのか。その講演のメッセージは「我々はどこにいても繋がっている」だった。持ち運びできるモバイル「機器」ではなくて、そんな機器を持ってるから、どこからも繋がれるという話だった。つまり、モバイル機器じゃなくて、モバイル「化」の話。
もう、なんでも「繋げてしまう」。もともと動き回る自動車も繋げちゃう。冷蔵庫もテレビもスマホも繋げちゃう。
「モバイル化」=「繋がる」なのだ。「スマホが薄くて綺麗になった。どお?」じゃないのだ。
「繋がるって・・・いまさら〜」ソーシャルを利用している人はそう言うかもしれない。人間は結構繋がった。
これから、繋がるのは機械同士だったりするのだ。
機械が地球を「全録」する
機械同士が繋がるってどういうことだろう。いまのところ、機械には意志は無い。だから「繋がる」ための動機は誰かが与えないといけない。
たとえば、天井に付いている火災報知器。煙を感知➡音が鳴る。煙が機械を動かす動機になっている。
拍を測定するセンサーを付けた腕時計。ある一定の心拍数を超えたら、自動的に誰かにメールがいく。この場合は心拍数だ。
自宅に近づくと自動でエアコンがスイッチオン。自宅からの距離がエアコンを動かす動機になっている。スマホとエアコンが位置情報で繋がる。
変な行動をすると警報装置が鳴るカメラ。人が通るたびにスマホにクーポンを送る機械。自宅の空気成分、温度を測定し続ける装置。
そんな機械が至る所にバラ撒かれリアルな動きを全部記録する。
センサー付き機械は、地球で起こる出来事を「全録(全部録画)」し、データ保存していく。
機械が記録する情報は誰が編集するの
無数の機械が記録する、そんなことを考えると去年のロンドン五輪を思い出す。
「ロンドン五輪の開会式で選手がアップした写真」や夕焼けにスマホカメラを起動する「スマホ写真家」。
それらの特徴はなんといっても、そのボリュームの多さだろう。一握りのプロではなく、誰もが写真を撮影してアップロードしたのだ。
それでも、スマホのシャッターを切り、繋がるのは人間だった。
それが機械も出来事を記録し始める。その記録量たるや、スマホ写真家の何万倍になるのか?
「モバイル化」は、この膨大な記録が「繋がる」ってことを意味している。
その溢れる情報の後始末は誰がするんだろうか。機械?人間の知恵?メディアの出番?
志村一隆(シムラカズタカ)プロフィール
1991年早稲田大学卒業、第1期生としてWOWOWに入社。2001年モバイルコミュニティを広告ビジネスで運営するケータイWOWOWを設立、代表取 締役就任、業界の先駆けとなる。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学で MBA、2005年高知工科大学で博士号
『明日のテレビ-チャンネルが消える日-(朝日新書)』、『ネットテレビの衝撃(東洋経済新報社)』が絶賛発売中。ツイッターは zutaka
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