トーキングテレビ
テレビはテレビ。だけど、見る人の環境は変わってるんだろうか
テレビは家で家族と見る。テレビの仕組みは不変として、そのテレビを見てる家族のかたちも不変なのだろうか。(参考:稲井さんのポスト)
一人しかいない単独世帯は、20年で400万件増えた。この数字を大きいとみるかどうか。
氏家さんのポストにあった視聴率TOP20グラフで、20年前の1995年辺りには5番組くらいがプロットされている。
(『半沢直樹』を入れた最新版を提供します:編集長)
家族がいてテレビがついていてねずみ算式に話題が増幅される。それが視聴率アップにつながる。
そんな乗数効果を単独世帯の増加が減少させているんだろうか。家族の代わりのソーシャルメディアの補完性は十分でないのか。
10年後、単独世帯と子供のいる世帯数はほぼ拮抗する。(と予想されてる。)
家に帰ってスイッチつけてテレビを静かに見る。
人間のコミュニケーション欲求が不変だとすると、部屋に自分以外誰もいない世帯では、話相手がテレビになるんじゃないか。シーマンみたいにテレビから呼びかけられたりしたいんじゃないか。もっとプレイしたいんじゃないだろうか。
つまり、もっとゲーム的要素をコンテンツに込めるのが、テレビは工夫すれば、もっと面白くなるっていう方向性のひとつになるんではないか。
そんな意味で、境さんのソーシャルTVカンファレンス2013で話を聞いたTBS中島啓介プロデューサー制作の番組「リアル脱出ゲーム」は極めて優れた取組と思った。
タレントが回答するのを見て盛り上げるっていうのではなく、画面のなかから問いかけられて視聴者が答えるっていうフォーマットは、単独世帯が増える社会の現状を先取りしてる。
まだらな人口減少、テレビの立場も一律じゃなくなる
世帯を調べたついでに、人口推移も調べてみた。
いまから20年後。人口減少の度合いは、地域によって違う(と予想されてる。)実感するために、自分に関係のあった地域を選んでグラフにしてみた。
メディアはローカル・コミュニティと共にある。もちろんそうだが、では誰が支えるのか。
県内に独占的にリーチできる広告メディアとして存在が保証されていても、リーチ数が20%減ったら、売上も20%減るだろう。人数×一律単価のビジネスを続けるのにはムリがある。
ローカルを市場として成立しないビジネスであれば、外で商売するしかない。それには、ローカルの独自性をコンテンツとして発信するしかない。クールジャパンかとなってしまうのだけど、そこは個々の才覚で買ってもらう人を見つけに世界を股にかけるってのがビジネスマンってもんだろう。
そんなのムリと言っても、そのムリがムリだ。
とくに、テレビ局で働く若者は20年後を冷静に考えてみる必要がないか。
志村一隆(シムラカズタカ)プロフィール
1991年早稲田大学卒業、第1期生としてWOWOWに入社。2001年モバイルコミュニティを広告ビジネスで運営するケータイWOWOWを設立、代表取 締役就任、業界の先駆けとなる。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学で MBA、2005年高知工科大学で博士号
『明日のテレビ-チャンネルが消える日-(朝日新書)』、『ネットテレビの衝撃(東洋経済新報社)』が絶賛発売中。ツイッターは zutaka
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