あやぶろ/OLD

テレビの中の人による唯一のテレビ論、メディア論ブログ

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20123/19

●メディアはコミュニティになる。コンテンツはコミュニティになる(境治)

さらに驚いたことがあります。テレビ朝日の『相棒』は視聴率も高いけれど、Twitterもものすごく盛り上がっています。『相棒』のコア視聴者層の年齢からすると不思議な気がしました。するとその場にいたある方が教えてくれました。『相棒』のプロデューサーはネットに強い方で、ずいぶん前からブログなどを使って熱心に情報発信をしてきたのだそうです。その結果、ネット上に『相棒』ファンが育ってきているからTwitterも盛り上がっているのではないかと。
 
そうだとしたら、これは画期的なことだと思います。テレビ局のプロデューサーが何年もかけて自らソーシャルを駆使してファンを育ててきた。その成果がTwitterに反映されてきた。そんなことが起こるのも驚きですし、そんな地道な努力をテレビ局の人がするのもびっくりです。頭が下がります。
もちろん、コンテンツが良いからできることでしょうけど、逆に言うとコンテンツの力があればコミュニティは育成できるということでしょう。
 
いや、そんなカタカナで語ることではないかもしれません。いいもん作って、それをできるだけたくさんの人に見せたいなあ。そんな想いが通じたということですね。あるいは、そんな想いを伝えるツールがいまやあるのだ、ということです。
 
先日の志村さんポストの「作品が受け手の参加で完成するのは、やっぱり作り手のサボりにつながる」という箇所のあやとりをあえてすると、”参加で完成する”のはサボりかもしれないけれども、参加をどんどん受け入れることで受け手とともに作り手は成長し、作品の完成度は高まる、ということではないかと。ソーシャルテレビは、そのための装置として機能していくと思うのです。

 

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