「半沢直樹」を見終わって思うこと
物語は現実世界と違うところがいい
ドラマの撮影に使われた学士会館(取締役会が行われた場所)
TBSドラマ「半沢直樹」が連続ドラマ部門として歴代4位(関東地区)の42.2%に輝いたことで、放送された連休明けのネットには「半沢直樹」に関するブログ記事が洪水のようにあふれた。応援してくれるのは放送関係者としてはまことに嬉しい。
ただ、その中には放置しておけないと思ったものがあった。
最終回の結末に納得いかない視聴者がいたことに対して、中野渡頭取の判断は銀行として当然だ、と訳知り顔で解説し、視聴者を当惑させる内容の投稿だ。
明らかな違法行為を働いた大和田常務を処分すると、銀行自体の責任が表面化して頭取の進退にもなりかねない、などという政治的な裏読みを加えている。
しかしよくも悪くも、物語は現実世界とは違うのである。「半沢直樹」はリアリティを感じさせる現代のお伽噺と私は思っている。そしてドラマにのめりこんでくれたからこその、熱心な視聴者の納得できない気持ちもよく分かるので、その不満解消に応えてみたい。
では、あのような不正疑惑があったときに、現実世界ではいったいどうなるのだろうか?
まず、取締役の犯罪行為を積極的に公表しようとするかどうかは、経営者によってわかれるかもしれないが、金融商品取引法改正(いわゆるJ-SOX法の導入)で内部統制が厳しく求められるようになった昨今、少なくとも大和田常務をきちんと処分しておかないと大変なことになる。
あとで不正隠ぺいが発覚したときの銀行本体へのダメージは計り知れないからだ。
法律専門家でないから断定はできないが、大和田常務には特別背任罪や利益相反行為、善管注意義務違反のほか、配偶者への利益供与をはかった横領罪、銀行本体や迂回融資の中継先企業であるタミヤ電機への詐欺罪など、複数の余罪が成立することが考えられる。 しかも本件は犯罪事実を知る関係者が社外にも多いだけに、内密に済ませることができるような代物ではなくなっている。
決定的となるのは、取締役会で不正当事者の証言がなされ違法行為を認めたことだ。
通常、取締役会議事録は内部統制上、それなりの数の関係者が目にする。その中には金融庁も含まれるはずだ。
また、いまは常務をかばっているタミヤ電機も、将来なにかしら事情が変わったときに、損害賠償と慰謝料を請求してくる可能性も低くないなど、普通は、様々なリスクを経営トップは考えるはずだ。
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