あやぶろ/OLD

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20136/28

●捨てる力と伝える力(稲井英一郎)

見せずに魅せる 捨てて伝える

 

取材や番組制作過程で集めたビデオ素材映像と取材情報を、その時々の適切と思われる判断で優先順位をつけるのは当然のことであり、放送できる番組の時間枠には限りがあるから、どれを取り上げるかでプロとしての腕が問われることになる。

 

多くの材料を鍋のなかに放り込み、よく混ぜて煮こんだあと、ニュースで伝えたいメッセージを表現するために相応しいものを選び、形を整え再構成して一つのストーリーに料理していく。これが「エディターシップ」というものだ。

 

そして「捨てる」というのは、「見せない」という選択をすることであり、この「見せない」という表現行為について、あやとりブログ執筆陣が最近たて続けに言及していることを、空飛ぶ広報室をみていて、思い出した。

 

・前川センパイは、“ぼくたちは「何を見せるか」ではなく「何を見せないかが表現の鍵だ」ということに思い至り”と書いた。

 

・志村さんは“「何か」いいことを言おうとするんではなくて、驚きのあるつながりをモノに込める”ような仕掛けをつくることが、人間を物語にのめりこませる技術と言っている。つまり、すべては見せない、ということだ。

 

・ウジさんは、最近刊行された「伝わるロゴの基本」の中ですぐれたロゴデザインをつくるには“「何かを見せる」ということは、「何かを見せないこと」”だとのべ、正しいメッセージのために整理や潔さが必要といっている。

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