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20135/2

ニコニコ超会議の真の目的とは

実は超会議に参加はしたものの、いまいち入り込めないというか、醒めた目で見てしまっていた。それが、自分でも気に入らなかった。「お前の年になったら当然だろう」と突っ込まれるかもしれないが、別に年齢のせいではない。
私がニコニコ動画のファン、ニコ厨になったのは今から6年前、ニコニコ動画がスタートして間もない頃だった。「中曽根ティーチャー」や「ニコニコ組曲」が大流行りしていて、娘に「こんな面白いのがあるよ」と教えられたのがきっかけだ。アニメの楽曲が様々な形でマッシュアップされ、歌ったり踊ったり演奏したりする動画がアップされていた。
台湾の大学生たちが「日本の皆さん、私たちもニコニコ組曲を歌ってみました」と、大学の講堂で多くの人たちが大合唱した映像をアップし、それに感激した日本のユーザーが、埼玉の体育館を借りて「台湾の皆さんに、お返しで大合唱しました」という動画をアップした。
胸が熱くなった。
ニコニコ動画とは何と凄い可能性を持ったサービスかと感心した。

 

当時はよくニコ動を見ていた。見始めると2時間くらいすぐ経ってしまう。ねこ鍋や初音ミクなどが流行り、深夜枠でテレビ局としては初めてニコ動と連動させた番組をゲリラ的に作ったりもした。テレビ局の社員でいながら、テレビにはない大きな可能性と魅力をニコ動に感じていた。
2008年の一回目と2回目のニコニコ大会議にもお邪魔し、終了後の楽屋で川上量生会長や西村ひろゆき氏と話したりした。ひろゆき氏から「プロの目から見て、こういういかにも素人っぽいイベントってどう思います?」と聞かれたのに対して、「それがいいんじゃないの。完成度が高いと逆に嘘っぽく見えちゃうでしょ。ああいうグダグダ感がニコ動の持ち味だしテレビには出来ない事だよ。」と答えたのを覚えている。
その後、川上会長と共謀して横浜ベイスターズ主催の全試合映像をニコ動で生配信するという冒険的な企てを試み、もうちょっとで成立というところでつぶされてしまったりした。
この頃は本当によくニコ動を見ていた。当時、マイリストに入れた動画はまだ残っていて(削除されたのもあるが)、ちょっと見たら懐かしさでいっぱいになった(ねこ動画がやたらと多いw)。
しかしニコ動のユーザー数が順調に増えていき、サイトが巨大化、細分化され様々なジャンルが出来てきた頃から、何となく遠ざかってしまった。
そんな状態で超会議に参加したのだ。

 

年の割りにはニコニコ動画をよく知っているし愛しているが、超会議の「歌ってみた」、「踊ってみた」、「ボーカロイド」や「言論コロシアム」などに参加している人たちの生き生きとした表情が眩しくて、ちょっとした疎外感と羨ましさと寂しさを感じながら帰った。
今年の超会議レポートはどう書こうかと迷っていたときに、前述の清田いちるさんのエントリーを読んだ。

 

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