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20131/17

1・17【せんぱい日記】[動乱の時代の入り口だが、正月は取敢えず穏やかだった。この国の近代、スキーの話、都会の大雪] 前川英樹

1/1(火)
妻は格別の料理好き料理上手とは言えないが、雑煮は美味しい。
毎年だが、しみじみとする。
酒をゆつくり楽しむ。正月は良い。
昼前に近くの長女宅に、次女一家も集まって新年会。

1/2(水)
箱根駅伝中継を見るのは、小学校4年くらいだろうかの頃に父がラジオ中継を聞いていて、それ以来正月の習慣になっている。あの頃、結核だった父は既に寝たり起きたりの状態で、ラジオのスポーツ中継を楽しみにしていた。六大学野球、大相撲、ラグビー、など。母校慶応を応援していた。スポーツ全般に興味があり、南海の当時山本と言っていた監督兼選手はもともと鶴岡と言って法政の名選手だったこと、大学野球では、慶応の衆樹、中田、法政の関根、立教の五井、などの名前も教わった。小2くらいだっただろうか、まだ父が多少元気だった頃に、後楽園に連れて行ってもらい巨人-南海戦を見たこと、コカコーラという不思議な飲み物を飲んだこと、笠置シズコが仮設ステージで歌っていたこと、などなど。スポーツ好きは父の影響か。

昼頃、年賀状の返信を投函するのついでに近くの公園をぶらぶら。
風もなく穏やか。誰もいない。

1/3(木)
何もせず。

1/4(金)
FB(フェイス・ブック)、須田さんの投稿。

スクリーンショット 2013-01-17 13.24.42

「朝ご飯をいただいてる内に、すっかり吹雪きになった。ガラスの向こうに、文字通り雪が舞っている。」

須田さんへのコメント
「東京育ちのボクの兄が(もちろん僕もそうだけど)、高田(上越市)に勤務した時、最初の冬に『この雪は永遠に降り続くのではないだろうか』と思ったという。」

須田さんからの返歌
前川せんぱい、ありがとうございます。あけましておめでとうございます。須田は子供の頃、唱歌で歌う「♪お正月には凧あげてー」が解せず、なんでお正月に凧あげができるんだろう?と、思っておりました。今年も、よろしくお願いいたします。

ぼくの返歌。
「私たちは、こんなに狭いエリア(国以前の)に住みながら、ものすごく多様な文化を経験している。そこから実に微妙なグラデーションを生みだされ、それがまた文化の土壌として積み重なる。そのことをもっと大事にしたい。それがクリエイティビティーでなくてなんだろう。それが古代から現在に至る、私たちの美学的な存在理由ではなかろうか。固有という言葉の意味は、領土などではなく、このように語られるべきだろう。ナショナリティーから解放されること=ポストモダンを生きるとは、そういうことだと思う。
須田さんのこの一枚の写真は、そういうことが語られている・・・と、ぼくは読んだ。」

歩く。鶴見川沿いに1時間。

IMG_1899

1/5(土)
今日も歩く。曇天、寒い。いかにも冬だ。
IMG_1912

FBで“ポケットに夢を”というフレーズに出会った。
ふと、“右のポッケにゃ夢があり 左のポツケにゃチューインガム
という美空ひばりの「東京キッド」を思い出した。1950年のヒットだが、実に時代を的確に切り取った歌詞だ。

河尻さんのFBより。
「Eテレの深夜で再放送やってる『日本人は何を考えてきたのか』のシリーズ、つい見てしまう。昨日は石橋湛山の回がよかった。今日は柳田國男、河上肇など。今後放送予定の出口王仁三郎、西田幾多郎と京都学派、北一輝の回も気になる。」

これに結構いろんな人が反応している。
中島 みゆきさん、稲井英一郎さん、他33人が「いいね!」と言っています。

a 面白いチョイスですね。
b ほんとこのシリーズ、すごいです。
河尻亨一 ひっさびさにテレビ見てます。
c  こっから、やばいです!
河尻亨一 99話のエピソードですな。
d  途中から見てます(^^ 北一輝までするんですね?!昔、アングラ芝居仲間の間で、ちょっとしたブームでした。
河尻亨一 北一輝は来週みたいですね。明日は出口王仁三郎です。今日は柳田國男と河上肇のようです。
e  二度目でしたが、やはりくらくらさせられました。
f  情報、ありがとうございます!ホームページで調べてチェックしときます。私が学生の頃、暴力的な学生運動は既に終わってたけれど、思想的学生運動をしている人たちは社会主義に傾倒してるケースが多かったように思います。私も北一輝、3冊、持ってます。(^^;
g  王仁三郎気になりますね…「大本」はずっと気になりつつ、なかなか調べていなかったので見てみます!
前川英樹 アッ、見逃した!しまった。情報ありがとう。
前川英樹 河尻さん、いずれにしても”近代の超克”に行き着きますよ。
河尻亨一 さすが先輩! この流れの中で“それ”をどう扱うのかは気になりますね。ただ、これまでの人選を見ても、例えば、柳田國男と折口信夫をセットにするとか、よくも悪くもNHKな感じといいますか、“教養”の範疇に収まってしまいそうな予感もありますw 出口王仁三郎を入れるなら、柳田國男には今和次郎を組み合わせたほうがよかったのでは?(自分ならそう)などなど、思うところありつつ視聴しているうるさいユーザーです。
前川英樹 去年10月の「日韓中テレビ制作者フォーラム」のテーマ作品として日本が出品したのが、このシリーズの「田中正造と南方熊楠」でした。これについては、「あやブロのレポート」及び「補遺編」で書きましたが、夫々一人で十分成立するのだけど、複数を登場させることでテーマを立体的に扱うという方法論が有効だという考え方と、過度に<ある思想>に傾斜しないというリスク回避の発想があるのか見しれません。現場でも悩んでいるのでしょうね。企画として優れていればこそ、もっと踏み込めば良いのにと思います。踏み込めばこの国の近代がもっと見えるはずです。NHKとしてはそうは出来ない、だけど民放はこのテーマさえ番組化することら遠くなってしまった、などと思うところありつつ視聴した、そしてまた視聴するであろう、うるさい(大してうるさくないか)オーディエンスです。
前川英樹 河尻さん、もう読んだかもしれないけど以下をご参照ください。

10・31【釜山と東京で考えた-「日韓中テレビ制作者フォーラム」補遺】前川 英樹
河尻亨一 前川さん、「放送人の会」の原稿も含めて拝読しました。出品作上映や当番組プロデューサーの講演に対して各国の参加者からどういうリアクションがあったのかが気になりますが、前川さんの書かれている「近代の躓きの石」以降のくだりは腑に落ちます。
となると、歴史は喜劇として繰り返してしまう可能性もあり、それゆえやはり、「日本人が考えたこと」の多様な系譜と鉱脈を知りたくもあり、「実はもっと他にも隠されているピースがあるのでは?」と勘ぐる気にもなってしまうのですが、番組として成立されることを考えると致し方ないのかも・・・面白い企画で楽しんで見ていますが、正直独特のにおいを感じてしまう面もありまして、柳田×今ですとか、岡倉天心も加えるですとか、単に私の好みの問題かもしれませんが、さらにスーパーニュートラルで「ちょっとなかったぞ」的な展開もありうるのではないかと感じた次第です。そうすると震災にはリンクさせづらくなるのですが、希望を見たい気もしておりますが、もしかしたら前川さんのご感想とパラレルなところもある気がします。思索家ではないのでもとより違うのですが、ノリとして言いますと、山田風太郎的なものなどはアウト オブ 眼中と言いますか。。このシリーズから現状私が読み取れることはそういったあたりでお恥ずかしい限りですが、2年がかりでやる企画とのことですから、今日からの新シリーズも含め、今後の展開が気になるところですね!
前川英樹 繰り返された喜劇は悲劇でもあるでしょうね。
今や九鬼もそうだけど、夢野久作と江戸川乱歩とか、・・・少しメディアに近付けて、木村伊兵衛と小津安二郎なんて組み合わせだってありかも知れない。などなど、NHKより我々の方が奥深い会話ができるかもしれない。
釜山のフォーラムでは歴史認識問題が通奏低音になっていました。
河尻亨一 面白そうですね!w

1/6(日)
年賀状に書かれていた知人の近況で、加療中の方たちのことを知った。お見舞いの手紙は難しい。

1/7(月)
今年初めて赤坂へ。「栄林」でパーコーメン。
「放送人の会」事務局。

1/8(火)
町田に買い物。明日からのスキーに備えてWAXなど。

1/9(水)
早朝発で戸隠へ。
大宮7:48.のあさま505は、途中上田に停車するだけ。長野9:10.のバスに乗ると10:30.に宿。
11時過ぎにゲレンデに立っていられる。
今回もバーンのコンディションは良い。快適。
宿も正月を過ぎて、建物全体が暖まっていた。

IMG_1930

まだ、松の内。夕食の最後は雑煮。

 1/10(木)

IMG_1941
食堂の窓から白樺林、その向こうに戸隠連峰

予報が良い方に外れて陽射しがある。時々チラチラと小雪。宿の外気温はマイナス10度。
前の晩少し降った新雪が、硬いバーンの上に残っていて気持が良いが、結構難しいコンディションだ。木々の枝に雪が被っていて霧氷のようになっている。陽が射すと幻想的な美しさだ。
午後もしっかり滑って、少し疲れた。大腿部に疲労。
自我自賛と言われればそのとおりだが、70を過ぎで向上するものがあるというのは嬉しい。
もちろん、もっと早くこのくらい滑れていれば、もっとずっと長い期間楽しめただろうに、とも思う。
スキーの先輩ホープさんの呪文“油断・漫心・ちょっとの色気”を滑り出す前に思い浮かべる。“+無理をしない”。
ただし、どの辺が無理かは難しい。
事故の最大の要因は接触。滑り出す前にバーン全体を見渡して、「どこのどういう人たちが滑っているか(特に、スクール)、あるいは立ち止まっているか、そしてボーダーはいるか」をチェックする。

IMG_1953
夕食はお気に入りのほうれん草のグラタン、など。

 1/11(金)

IMG_1932
宿のランチォンマット・押し花など、自家製

一つのバーンでも、右側と左側ではコンディションが違う。どっちを滑るかで楽しみ方が変わる。右から入って左へ抜けるのとその逆と、真っ直ぐに降りるのと、全体を大きく回るのと、夫々滑り分けると、一つのコースを4回滑ることになる。どれも1Km以上のコースを3本+α、午前中だけで15キロ近く滑ることになる。疲れるわけだ。それにしても、毎度滑って飽きないということは、戸隠というスキー場の懐の深さだろう。雪質が凄く良いというのも強みだ。
明日からの三連休は混むという。少しは客が来なくっちゃあね。
13時半頃のバスで降りると15時頃の新幹線に乗れて、これも軽井沢停車だけで大宮。
6時には家にいられるのが良い。

1/12(土)
ひたすら、休養。
懸案だった知人への見舞状など。

1/13(日)
テレビでスポーツ観戦。
玄関燈の電球が切れたので交換、これは結構手間。
NHK大河。初回を見て思ったのだが子役が良い。

1/14(月)
『日本人は何を考えてきたのか』の北一輝と大川周明を録画で観る。
凄く期待していたのだが、いまひとつだった。
北のどこが魔王で、大川のどこがスサノオだったのか・・・など。
ドキュメンタリーとスタジオの組み合わせもマイナス効果のように思えた。

ふと、窓外を見ると大雪。雪は山に降ればいい。
夕方、雪掻き。
IMG_1965

 1/15(火)
朝、雪掻き。

IMG_1977雪の中の薔薇一輪。健気だ。

午後、赤坂。
夕方、吉祥寺でマッサージ。スキーでしっかり使った筋肉をメンテナンス。昨日今日の雪掻き疲れはどう?

 

前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール
1964 年TBS入社 。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳の ある日突然メ ディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジとい うポストアナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010 年6月”仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にして いる。「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸 隠。

 

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