ガラポンTVの保田さんが書いた本にグッときた
この本の書き出しはショッキングです。なにしろ最初の1行は・・・
『僕は毎朝、徹底的に絶望しきった状態で目覚める』ですから。
さらに・・・
『唯一の製品であるガラポンTVがまったく売れなくなり、事業を畳むことをありありと想像する。泣き叫びたいくらいだが涙も出ない』・・・
あやとりブログの執筆者でもあるガラポン株式会社社長の保田歩さんが、本をお書きになりました。
文系の僕は テレビ視聴の 革命めざし 家電メーカーを 起業したという、ちょっと長めのタイトルです。
この本は、起業を目指す人向けのビジネス本の体裁をとっていますが、超ネガティブな書き出しでもわかるように、決してノウハウ本ではありません。
冒頭の話もつかみのために大げさに書いたものではなく、以前、保田さんと飲んだ時に同じことを聞いたことがあり、いつも楽しそうな保田さんからはイメージできない苦悩と、ベンチャー企業を経営するというのは、そんなにも強いプレッシャーなんだと息をのんだのを覚えています。
保田さんはこの本の中で、なぜ家電メーカーというITベンチャーとしては珍しい形で起業するに至ったのか、その中で何に悩み、苦しみ、勇気を振り絞って行動したかを、赤裸々に書いています。
ネットサービスとは違う製品を実際に作る苦労、発表イベントにギリギリ間に合った試作機、様々なコンサルタントからの怪しい誘い、ネット掲示板などでの痛烈な罵倒、5千万円の資金調達が成立目前にひっくり返る絶望、等々、まさにベンチャー企業の苦しみ、怖さとその反面のうれしさ、楽しさ、ワクワク感が文章から飛び出してくるようなドキュメンタリーです。
一気に読んでしまいました。
実はガラポンTVは、私自身が実際に使ってみて、非常に便利であることを実感していました。
まさに保田さんが言う「テレビ視聴の革命」です。
しかし使い始めた最初のうちは、これはテレビにとって怖い存在だと思い、今年4月にブログにも書きました。
しかしその直後に、正反対のポストを書きました。
「ガラポンTVでテレビ視聴率が上がるぞ!」
なぜ主張をひっくり返したかというと、ネットの世界ではガラポンTVによって「テレビって意外に面白い」という見方をする人が出てきたせいです。これは予想外の反応でした。保田さんが以前から言っていた「ガラポンTVはテレビの味方なんです」という言葉が少し信じられるようになりました。
そしてあるセミナーでアスキー総研の遠藤さんが「ガラポンTVのユーザー・アンケートによると、ユーザーの18%がそれまで全くテレビを見なかった人だった」というデータを紹介しました。これに驚いた私は、さっそく保田さんに、このアンケート調査についてポストを書いて欲しい、ついでに、起業してガラポンTVを作るに至った苦労話も含めて、などと我が儘なお願いをしました。
コメント
ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより
リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…
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