志村さんの「Playするテレビ」に賛同し、反論する
ではそういうPlayするテレビでは、テレビ局は要らないのでしょうか?いや、むしろ必要になります。テレビ局の人間が、番組づくりを超えて視聴者の相手をしないといけません。Playするテレビでは、テレビマンはファシリテーターになるのです。Playの音頭取りですね。はい、次はこういう遊びしましょうかー。それにはこれ使ってくださいねー、タレントさんの許諾はもらってますよー。そんなことを言いながら、みんなの遊びをサポートする。
そんなことまでしなきゃいけないの?そんなことできるの?どうやったらできるの?
実際にやってる男がいます。読売テレビの西田二郎さん。「ダウンタウンDX」や「ガリゲル」のプロデューサーです。ソーシャルメディアの使い手で、ツイッターのフォロワーが12万人いたりします。
彼がやっている「ガリゲル」がそもそも、上に書いた「Playする」感覚で満ちあふれています。制作者と出演者と視聴者が一緒になって遊んでる感じ。関西ローカルだからやりやすいのかもしれません。
全国ネットの人気番組「ダウンタウンDX」でも「Play」しちゃってます。この9月26日の放送回では、東京ではなく大阪のスタジオで収録し、それをパブリックビューイングしたり、関西限定でツイッター連動したりしたそうです。そしたら視聴率も大きく上がったと、“視聴率を動かす男“として記事になってました。
北海道テレビ「水曜どうでしょう」の藤村忠寿氏と一緒に「テレビバカ」という本も最近出版していますが、西田二郎さんはとにかくこのところ活発にあれやこれややっています。彼がサイゾーのインタビューに答えた記事があって、その最後の一文が注目です。ちょっと引用します。
僕ね、今こそ若い世代がSNSの力を発揮するときだと思うんです。SNSを使って煽って盛り上げて、大人がまったく理解できない同世代のスターを作り上げるんです。それこそ間違ってたっていい。なんていうか、見る側の人間がもっとテレビに近づいてきてほしいんですよ。もう作り手側のアプローチはやり尽くしましたから。それが未来の正しいテレビのカタチじゃないでしょうか。
ここで言っていることも、「Playするテレビ」ですね。作り手はもうやりつくしたから、見る側と一緒に何かやるんだ、と言っているこれは志村さんが書いてたこととまったく同じじゃないでしょうか。最先端の作り手と学者が同じことを言っているわけです。
突然ですがここでお知らせ。11月1日の午後、ソーシャルTVカンファレンス2013というイベントが開催されます。というか、ソーシャルテレビ推進会議という、ぼくが運営する勉強会の主催なんです。突然でしたが文脈は繋がってまして、このカンファレンスで語られるのも言ってみれば「Playするテレビ」についてです。Zeeboxという、テレビを見ながらPlayするサービスをやっているAnthonyRose氏がキーノートをします。その上、豪華登壇者によるセミナー3コマ。お申込は、こちらから。
ぜひ皆さん、Playするテレビについて、のぞきに来てください。
あれ?なんだ、結局宣伝かよ。すんません。
境 治 プロフィール
フリーランスのコピーライターとして長年活動したのち、映像製作会社ロボット経営企画室長・広告代理店ビデオプロモーション企画推進部長を経て再びフリーランスに。2011年7月に『テレビは生き残れるのか』を出版。
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