【せんぱい日記】台風が来て去って、短歌的抒情が残った
9/20(金)
「もっと電車よまじめに走れ わが短歌史」(福島泰樹 角川学芸出版)。
福島は激しい時代とその終焉に短歌という定型詩で対峙した。
短歌をつくる才能はないが、短歌は好きだ。時代の感性が凝縮している感じがする。
60年代前半は岸上大作「意思表示」、後半は道浦母都子「無縁の抒情」。
“装甲車踏みつけて越す足裏の清しき論理に息つめている” 岸上大作
“打たれたるわれより深く傷つきて父がどこかに出かけて行きぬ” 道浦母都子
“すでにマッチも夜霧にしめり一本の頒かつ煙草のさらばわが友”福島泰樹
佐々木幸綱の歌も好きだ。
“さらば象さらば抹香鯨たち酔いて歌えど日は高きかも”
“朝焼けの空にゴッホの雲浮けり捨てなばすがしからん祖国そのほか”
短歌論も良い。
短歌論ではないが「定家明月記私抄」正続(堀田善衛 新潮社)は面白かった。歌人の家に生まれた人物を語ることで知識人のあり方を描いていている。
この<七五型>による抒情の表現は万葉以前に原型があるのだろうから、日本人のオリジナル、つまり生理に基づく感情表現形式なのだろうか。それともそこには既に漢詩という大陸文化の痕跡がどこかにあるのだろうか。日本語という言語とそれを漢語という記号を使って表記するという方法との間には、とても不思議な関係があるはずだ。
コメント
ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより
リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…
この記事へのコメントはありません。