あやぶろ/OLD

テレビの中の人による唯一のテレビ論、メディア論ブログ

© あやぶろ/OLD All rights reserved.

20136/20

のめりこませる技術

WhatとHow
 
友人のJoohun Lee(ジュハン)。ソウルでパイプ製造の会社を営んでいる。
久々の東京。銀座で呑みながら、彼がボソリとこう言った。
「カジュ、俺は自分が何をしたいのか、いまだにわからない」I still haven’t found what I am looking for by U2。ゴールを探し続ける人。永遠の狩人かっ。
「なにか」を得たら「満足」する。それはドーパミン的に勘違いなはず。人間ってそれでも「何か」を探し続けるものなのね。
ドーパミンは、「何か」じゃなくて、「過程」に反応するのだ。
武道でよく言う(鬼平も言っていた)「倦まず弛まず」って言葉は、「何か」と「過程」にまつわる勘違いを正してくれる。
スゴ技を身につけるのが目的じゃない→技を磨き続けるその過程が大事。「何」をしたいかなんてことを求めてはいけない。ただ修練あるのみ。
ということで、「のめりこませる技術 – 誰が物語を操るのか」は、のめりこまされる本。いい本だな〜。

 

(参考)
村上春樹氏のインタビューは内田樹氏の本で知った。内田氏も「物語」についてこう述べている。
「すぐれた物語」は「身体に残る」。だから、私たちは実は頭でなく、身体で物語を読んでいるのである。(98頁、「村上春樹にご用心」、アルテスパブリッシング)

 
 
志村一隆(シムラカズタカ)プロフィール
1991年早稲田大学卒業、第1期生としてWOWOWに入社。2001年モバイルコミュニティを広告ビジネスで運営するケータイWOWOWを設立、代表取 締役就任、業界の先駆けとなる。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学で MBA、2005年高知工科大学で博士号
『明日のテレビ-チャンネルが消える日-(朝日新書)』、『ネットテレビの衝撃(東洋経済新報社)』が絶賛発売中。ツイッターは zutaka
[amazon_image id=”4022733489″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]明日のテレビ チャンネルが消える日 (朝日新書)[/amazon_image][amazon_image id=”4492761934″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]ネットテレビの衝撃 ―20XX年のコンテンツビジネス[/amazon_image]

 

ページ:
1 2 3

4

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

20146/18

そこに、パースペクティブ=展望はあるか?2014年の論点⑤

停滞する民主主義が進化する途 ワールドカップの中継番組の瞬間最大視聴率が50.8%だったそうです。このニュースを見…

20146/18

そこに、パースペクティブ=展望はあるか?2014年の論点④

ストレンジなリアリティー:ガンダムUC ep7を見て考えたこと 『機動戦士ガンダム』は30年以上前に、フォーマット…

20146/17

情報“系”の中のテレビジョン

6月は、いろんなことがある。 会社社会では6月は大半の会社の株主総会の季節だから、4月の年度初め、12月の年末とともに一つの区切りの季節だ…

20146/16

テレビというコミュニティ。あやブロというコミュニティ。

あやとりブログに文章を書くようになってかれこれ二年以上経ちました。2011年に出した『テレビは生き残れるのか』を読んでくださった氏家編集長か…

20146/13

ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより

リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…

ページ上部へ戻る