● 下北沢のマサコとB&B(稲井英一郎)
そして最盛期は本多劇場ができた前後。まさしく私が取材をした時が最盛期だった。
演劇の街となり、古くからの馴染みに加えて若い世代が新たな常連となって客がふえていったのだろう。女性客もずいぶん来るようになり、常連さんがのべ数千人はいたのではないかという。
その福島さんがシモキタの街について、このように言っている。
「チェーン店が増えて、だんだん面白みがなくなったよね。深みがなくなったと、何となく肌で感じます。昔は個人経営ばかりで、みんな、店や街に対する思い入れが強かった。今は売り上げ第一で、ゆったりと商売している感じじゃないでしょ。」
福島さんの感想はまさしく、先日シモキタを歩いたときに私が感じたものだ。定食屋も昔ながらの喫茶店も駅周辺にはあまり見当たらないからだ。
もちろんチェーン店が悪いというのではない。ただ、個人経営のユニークな店が減っていき、街から多様性が薄れていったのは幾分寂しい気がする。
そして福島さんは、下北沢の家賃相場が上がりすぎたために個人の魅力ある店が減っていたと指摘されている。
南口にある本屋B&B
この指摘を呼んだときに思い浮かんだのが、シモキタで1年前にオープンしたばかりの本屋「B&B」だ。というのも私が訪ねていった「とある店」が、その店だったからだ。
「B&B」はBook&Beerの略で、本屋さんなのに本格的なビールサーバーがあり、美味しいビールを飲みながら本を探し、流し読みできるユニークな書店だ。そして最大の売りと思われるのが、連夜有料で開催されるトークイベントだ。
トークイベントにはネットやメディアで活躍している人たちがゲストに呼ばれて、書店経営や出版編集のあれこれ、メディアの未来のあれこれを話したりしているという。
ネットで検索すると、このB&Bの立ち上げには博報堂グループの「博報堂ケトル」というクリエイティブ子会社が関わっており、街の本屋さんが生き残るためのビジネスモデルをさがす、あらゆる実験を行っていくコンセプトがあるらしい。ブックコーディネーターの肩書きをもつ内沼さんという方がケトルとともにB&Bの経営を担当しており、紙の本、街の本屋さん好きの私としては、ちょっと応援したくなる店だ。
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