ギャラクシー賞授賞式で沢木耕太郎さんにガツン!とやられた
(以下、沢木耕太郎さんの祝辞から)
私は20代から30代にかけてものを書き始めた頃に、『調査情報』で修行させてもらった。その頃の『調査情報』は、とにかくいい加減で、夕方に行くと酒が出てきて飲み会が始まる。その中で編集方針が決まり、その場でライターに電話して執筆が決まるという、何ともいい加減な、しかし豊かな懐の深さがあった。
ところが今のTBSを見ると、そんないい加減なところが全くなくなっている。今、TBS自体が「全然ダメ」になっている。見たいと思う番組が全然ない。せいぜい「情熱大陸」を週に1回みるかどうかくらいだ。経営でもテレビ部門が赤字になったりして、苦しいようだ。今のTBSには。いいところが全くない。
余裕もなにも全くなくなっているはずなのに、こんな雑誌(『調査情報』)だけは続けている。このような大きな賞をもらうと経営の偉い人はきっと「これを花道に『調査情報』も休刊しよう」と言い出すに違いない。ところがこの『調査情報』は、「これをやめたらTBSもいよいよダメなんだ」というアンテナになる。『調査情報』はテレビが元気な時代の無駄と豊かさの象徴と言える雑誌だ。かつてテレビが元気で乱暴なことを散々やってきた最後の名残をとどめている。こんなしょうもない雑誌をどこまで存続できるかが、TBSが生き延びられるかのアンテナになる。ついこないだ500号を出したらしいが、600号、700号と是非、続けていただきたい。もっともその前にTBSがなくなるかもしれないが。
(ここまで沢木さんの祝辞)
ギャラクシー賞の授賞式会場に来ているのは、テレビ・ラジオ関係者がほとんどだ。その聴衆を前にして、ここまでテレビ局に厳しい物言いをする祝辞は聞いた事がない。さすが沢木耕太郎だ。しかし、こんな辛辣な祝辞を受けても、会場は白けるどころか、むしろ「その通りだ!」という暖かい空気に包まれていた。壇上でこれを聞かされたTBSの取締役は災難だったろう。しかしテレビがもっといい加減で乱暴だった頃の元気さを懐かしく感じ、またそれを取り戻したいという気持ちは、現場だろうが経営者だろうが、想いはひとつなのだ。
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