ギャラクシー賞授賞式で沢木耕太郎さんにガツン!とやられた
沢木さんに言われるまでもなく、今のテレビは面白くないと感じる事については、以前のエントリー「テレビがつまらなくなった理由」で書いた。
私のようなテレビの中の人間が、「テレビがつまらない」と公言すれば、きっとテレビ現場の人たちから強烈な反発をくらうだろうな、と覚悟して書いたエントリーだった。しかし蓋をあけてみると、多くのテレビ関係者から共感をいただき、テレビとは関係ない業界のかたからも、「うちも同じです」というツイートをたくさんいただいた。テレビが本音を語れば、まだまだ味方になってくれる人たちがたくさんいるのだ。沢木さんも、ああは言っていてもその中の一人だ。
今日の沢木耕太郎さんの祝辞は、テレビ業界の閉塞感だけではなく、今の社会の閉塞感をも鋭く指摘しているようで、ここまで言われると、聞いていてむしろ爽快感すら感じた。
実に心に残る授賞式だった。
(*1)放送批評懇談会は、1963年、民放草創期のこの時期に、テレビとラジオの可能性、影響力に着目し、その発展には必ず“批評”の力が必要であると考えた評論家、研究者、ジャーナリスト、作家らの有志によって創設された自主独立の団体。現在、放送批評懇談会の「正会員」は、放送評論家、メディア研究者、ジャーナリスト、放送局OB・OGなどを中心に200名近くを数える。
(*2)ギャラクシー賞は、放送批評懇談会が志ある番組を掘り起こし、制作者たちの番組作りへの情熱に光を当てて顕彰することで現場を鼓舞し、番組の向上・発展を促すことを目的に、会の発足と同時に誕生した。民間の自主的意思を基盤として創設された放送賞の第一号である。放送批評懇談会の会員が一貫して審査にあたり、賞の独立性を維持しつづけている。
(*3)TBS『調査情報』は、TBSテレビが発行し、子会社であるTBSメディア総合研究所が編集する雑誌(隔月刊誌)。主にテレビジョン放送を中心とするマスメディア批評を扱う。1958年創刊。TBSでは月刊誌『調査情報』を40年以上に渡り刊行してきたが(当時は同社編成考査部が発行)、1993年4月に休刊。しかし業界関係者の多くから復刊を求める声が挙がったことから、1996年に隔月刊誌『新・調査情報』として復刊。2008年から『調査情報』に改題した。現編集長は市川哲夫。
(*4)志賀信夫賞は、志賀信夫前理事長の長年にわたる放送批評活動の功績を記念して創設された。番組制作にとどまらず、放送局やプロダクションの経営、業界の新たな仕組み作り、放送メディアや視聴者・リスナーに関する研究・調査、批評活動など幅広い業績を対象にしている。広く放送文化、放送事業の発展に顕著な貢献をした個人を顕彰することが目的。
氏家夏彦プロフィール
株式会社TBSメディア総合研究所代表
テクノロジーとソーシャルメディアによる破壊的イノベーションで、テレビが、メディアが、社会が変わろうとしています。その行く末をしっかり見極め、テレビが生き残る道を探っています。
1979年TBS入社。報道(カメラ、社会部、経済部、政治部等)・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、 商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年現職。
最近はテレビの外の人たちとの人脈が増えています。
コメント
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