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201212/3

12・3せんぱい日記【日中韓を巡るシンポジゥム二つ、こうした企画意図が浸透すると良い】前川英樹

■  11月は結構忙しくて日記を書かないで日が過ぎてしまった。
前半は「八鹿紀行」に集約した。
後半は主な事象だけメモしておこう。

11/18(日)
シンポジウム「領土をめぐる日中韓摩擦とメディア」(慶応大学)
主催
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院附属 東アジアメディア研究センター
慶応義塾大学総合政策学部李千研究室
「放送人の会」
韓国PD連合会

「日韓中テレビ制作者フォーラム・慶州大会」(10月)を前に三国の関係が極めて憂慮すべき状態になった。テレビ制作者フォーラムとして避けて通れない問題だが、それだけを切り出すというわけにもいかず、この問題を議論する場として今回のシンポジゥムが企画された。
但し、中語の関係機関は主催者にならず、またスピーカーとしても参加しなかった。日本に留学している研究者が一人フロアーから発言した。推察するに、それでさえ勇気ある行為だったのではなかろうか。

したがって、議論は主として日韓の間で行われた。
まことに当たり前の感想だが、他者のいうことは聞いてみなければわからないということであり、まず聞いてみることから始めなければならないということだった。
隣国であればこそ、聞くことが疎かになっているのではないだろうか。
このことが強く心に残るシンポジゥムであり、それだけでも開催する意味があったと思う。

11/24(土)
「放送人の会」幹事会
法人化問題も細部を除いてどうやら骨格が固まって来た。しかし、何であれ、細部こそ躓きの石になることがままある。細部に宿るのは神ばかりではない。要注意。
テレビマンユニオン重延君と若干の雑談。その後、今野、鈴木、両氏と一献しあれこれ。

11/26(月)
昼頃から強い雨。
私事で銀座へ。

11/27(火)
昨日父の命日だったが、悪天候で墓参を止めたのだった。今日、護国寺に行って花屋に寄ったら、定休日だった。火曜日は休みということを失念していた。もう一軒、遠い方の花屋に行く途中墓の様子を見たら、新しい花が飾ってある。きっと昨日兄が来たのだろう。まだ新しい花を換えてしまうのももったいないような気がして(という言い訳で)、花はそのままでお参りだけしてきた。「お前は小さい時からそうなんだから・・・」とでも父は言っているだろうか。

午後は、旧友会企画のICT講習会。
I-PADの使い方を来年2月まで7回。講師は現役のシステム技術部スタッフ。企画はぼくの同期のO氏。
8人ほどが参加。なかなか面白くスタートした。

11/29(木)
緊急シンポジゥム「中国新体制下での日中関係」(イイノホール)。
主催 JST(科学技術振興機構)中国総合センター


経済系の専門家、現地ビジネス担当者が中心の顔ぶれで、ぼくにとっては新鮮な発表発言が多く大変面白かった・・・面白がっている場合か、とも思うが。
全員が中国に強いシンパシ―を持っている分だけ、今回の事態についての中国側の対応に激しい拒否反応がある。

司会は、つい最近まで日テレの解説委員だった倉沢氏。彼の情報でこのシンポジゥムのことを知ったのだが、ご本人がJST中国総合研究センターに席を置いているとは知らなかった。3.11では原発問題の解説者として登場していたが、数年前は地デジで民放の議論を高いレベルに押し上げる役割を果たし、その前は北京特派員、そして若い頃はボルドー大学で化学を学んだという。放送界でいろんな人にあったが、その中の優れた5人の中の1人に入るだろう。

11/30(金)
「山田風太郎賞」「横溝正史ミステリ大賞」「日本ホラー小説大賞」贈賞式。
風太郎記念館からお誘いかあり、主催の角川書店・角川文化振興財団からご招待を頂いた。文学系の表彰式典は初めてなので、どんな感じなのだろうかと行ってみることにした。

テレビの贈賞は随分参加している。それに比べると地味と言えば地味だが、選考委員の解説も、受賞者の挨拶もどこか味があって、なかなか良かった。
主催者を代表して、角川歴彦氏が挨拶した。
概要「各出版社が色々賞を贈呈しているのは“本を売りたい”という気持ちが込められているのだ。それは、キンドルが登場する時代になっても変わらない。かつて、電子書籍の市場シェア―は5%くらいと言われたが、いまエバンゲリオンは20%が電子書籍だ。アマゾンとも随分長く厳しい交渉をしてきた。健全なマーケットをどう形成するか、その気持ちと(今日のように)作家に賞を贈る気持ちは同じなのだ。」
角川歴彦氏は、10年以上前だろうか、ニュービジネスの開発関係であった事がある。しばらく年賀状のやり取りもあった。いまは、角川文化振興財団理事長。

レセプションに暫くいたが、流石に顔見知りもいないので、山田風太郎夫人と風太郎記念館関係の方々に挨拶して退散。
夜は寒かった。

 

前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール
1964 年TBS入社 。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳の ある日突然メ ディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジとい うポストアナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010 年6月”仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にして いる。「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸 隠。

 

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