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20124/18

4・18せんぱい日記【春になった・・・1968年5月・パリのこと、重延君と対談したこと、気持ちのよい花見の宴のこと、など】前川英樹

4/1 (月)
4月だ。
3月は春といっても、冬に近い。スキーシーズン中ということもあるのだろう。
4月は春が来た、という感じがする。今年は寒さが長く続いていて、少々春を待ちくたびれた感じもあり、今日は春もの衣類を取り出してみたりした。この感覚が、九月入学の最大のハードルだろう。ま、そうなってみればそれはそれ、ということなのかもしれないが。
JCOMの工事。ケーブル、ネット、電話をセットにしてみた。
明日、猛烈な風が吹くというので、予定していた民放連の地デジ総括の会合を延期してもらう。こういう時は得てして予報が外れることがあるがどうだろう。

4/2 (火)
朝から、暴風予報と対策のニュースが多い。
BSで「幕末太陽伝」(川島雄三監督 1957年)を見る。
間違いなく、これは傑作だ。これほどラディカルな喜劇は、そうはお目にかかれない。反政治的過激さ。コンテの巧みさにも感服。

4/3(火)
夕方から、ホントに暴風雨になった。予報はかなり正確に当たった。

4/4(水)
放送人ブログの件でT社と打ち合わせ。想定している状況とそこに至るプロセスは見えているのに、なかなか行き着かない。「田舎の道みたいだ」といったら、こちらだけでなく、向こうも受けていた。
夕方、赤坂に戻ってTBSメディア総研で資料確認。民放連の地デジ総括のサポートを頼まれたのと、月刊「民放」原稿のため。
終わって、氏家君と「一福」で雑談。思わず長居。「一福」は、場所は変わったが新人の頃からスタッフが立ち寄る店で、以前はおでんの店だった。今は、いろいろ。昼は皿うどんとちゃんぽん。

4/5(木)
午前TBS診療所。一昨年7月の脳梗塞の定期的な経過診断。今月から脳神経内科の担当医が変わって新しい医師だったので、経緯を説明。この話題になるたびに、極めて軽度な後遺症で済んだ幸運に思い至るのだ。
帰りに、孫の誕生祝いに「どうぶつしょうぎ」を買う。これ、たった4枚の駒を16マスで動かすだけなのに、結構頭を使う。

4/6(金)
久世光彦追悼コンペ「是空会」、清川カントリー。

4/7(土)
「パリ五月革命私論―転換点としての68年―」読み終わる。帯に、「もうたくさんだ街に出よう」とある。面白かった。

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<68=世界同時叛乱/革命>-<89(90,91)=冷戦構造解体>-<2011=ジャスミン革命>という世界史の転換の始点として68年を認識している。最後に新植民地/国内植民地論で締めくくっているのは、世界の構造的把握という点で説得力がある。世界経済は常に何処かを、あるいは誰かを収奪することで成長してきたのだ。
・・・で、いま日本の国内植民地状況はどこにあるかと言えば、それはオキナワとフクシマだろう。そこに、世界史の中の日本の歪=差別が集約されている。この国で“街に出よう”という状況は、いつ再び訪れるのか、それが問題だ。このことをどれだけの深さで私たちは受け止められるか。
私たちの近代、私たちの知力、感性、私たちの天皇制、・・・。いま、吉本隆明の仕事、例えば転向論を思い起こしている。

月刊「民放」の著者校作業。
書いた時の計算より大分長くなってしまったので、切るのに苦戦。

4/10(火)
午後、河尻クン企画で重延氏と対談(テレビマンユニオン)。2時間弱、TBS入社の話から「テレビ・状況の時代」まで、あれこれ。話しているのは面白かったけど、読む人はどうだろう。
テレビの時間性と空間性、テレビ的なるもの(情報共有性)とソーシャル的なるもの(コミュニティー型情報からトランスナショナルなコミュニケーションまで)の関係を上手く解くべき時代だということなどを思った。政治的なるものとの関係も。近々「あやブロ」にアップされるだろうから、そちらをドーゾ。
終了後、今野さんと「放送人の会」入会資格などについて打合せ。
夜、藤代裕之氏を氏家君に紹介。話があちこちに展開して面白かった。ネットのプラスとマイナス(あるいは功罪とか光と影)的二元論への疑問など・・・全て肯定ということではもちろんなく、二項対立的な単一の評価軸を設定することへの違和感ということ。

4/11(水)
民放連で地デジの歴史の総括作業打合せ。
記録はきちんと残されるべきだ。

夜、学生時代の友人Tと「駒形どぜう」渋谷店で数献?この店は昼からずっと開いていて、早い時間からゆっくり飲むには絶好。

4/12(木)
TBSメディア総研の花見。
ビルの8階がオフィスだが、向かいの元大蔵省の土地の法面の桜が目線より少し低いところにあり、花見としては新鮮な景色で、桜吹雪が下から舞ってくる。法面が露地のままで、コンクリートで固められてないのが良い。以前は露地の斜面の景観は都内でもあちこちにあったが、いまは防災上の理由だろう、コンクリートが打たれて無愛想になったしまったところが多い。
「あやブロ」関係者などが入れ替わり立ち替わり、狭いオフィスに述べで15人くらい来ただろうか。なかなか良い花見だった。

4/13(金)
ゴルフコンペ「TBS6の会」(太平洋クラブ御殿場ウェスト)>会社更生法申請中だが、従業員の対応などきちんとしていた。暖かかったので、半袖でプレー。

4/14(土)
今日は、気温低く雨。
山田風太郎記念館からTel。以前、記念館のHPの掲示板で「日本国憲法殺人事件」について書き込んだことがきっかけで、メールのやり取りが続いていた(http://ayablog.com/old/?p=18333参照)。TBSのライブラリー関係で確認し、講演会使用ということでDVDの試写が可能であることを知らせたところ、7月の風々忌か11月の風太郎祭の企画として検討するとの由。楽しみだ。ネットで調べると山陰線から播但線で八鹿下車という。近くに夢千代日記の舞台になった湯村温泉がある。帰路は播但線で山陽道に出るか、北近畿丹後鉄道で京都に戻るルートもある。どちらも乗ったことのない路線で楽しみ。

4/15(日)

押し入れの何だか分からないまま仕舞ってあったガラクタを整理し、放り出してあった植木鉢30個程の土を空けて片付ける。数年前、妻が体調を崩して、それ以来あんなに好きだった庭仕事にすっかり縁がなくなっていた。ぼくは、もともと土いじりなどに全く興味がなかったが、荒れたままになっているのは気になって、この頃は雑草取りなどするようになった。・・・が、今でも草花の名前など妻に聞かないと分からないし、聞いても覚えない。とはいえ、そんなことをしていると春だな、と思う。腰が痛い。

 

 

前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール

1964 年TBS入社 。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳の ある日突然メ ディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジとい うポストアナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010 年6月”仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にして いる。
「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸隠。

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