あやぶろ/OLD

テレビの中の人による唯一のテレビ論、メディア論ブログ

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201312/16

日本の都市とアジアが映像でつながる日〜アジチャンの挑戦〜

スマートフォンは日本での普及率が4割に達したというデータを最近見ました。この勢いは来年も続くでしょう。スマートフォンとテレビの関係は、ひとつにはセカンドスクリーンとして、ですが、もうひとつは番組を見せるもうひとつの場所として、というのもポイントだと思います。自分でもそうですが、ソファに寝そべって誰かが教えてくれた動画をスマートフォンで見る、なんて機会はこれから増えるはず。デジタルに疎い人たちも、ふらりとクリックしたら動画がはじまる、なんてことが当たり前になるでしょう。

 

だったらネットに番組を積極的に配信することは、接点を増やすために必要なのだと言えます。「今日感テレビ」で言えば、日中家にいない人も、アジチャンで視聴できれば接触機会は増える。だったら躊躇せず配信すればいいのです。

 

アジチャンのような場は、ネットに動画を送り出す側にとってもいい効果があります。ネット動画をあまり見ない人びとにも、接触機会ができるのですから。『今日感テレビ』が動画を取り上げてまたアクセスは増えたに違いありません。

 

ネット⇔テレビ、九州⇔アジアと2つの矢印が交錯する面白い場所、九州@アジアチャンネル。こうした新しい場所を、ローカル局が続々開発してみるといいと思います。新しい場所ができて、そこに人びとが集まれば、何かのビジネスにつながる可能性が出てきます。可能性があればいいのだと思います。100個試して、ビジネスになるのは1つだったりします。だからこそ、日本中でトライすればいい。そうすれば成功例の5つや6つ出てくるわけで。そしたらみんなで分かち合えばいい。

 

ということで、RKBの試み、アジチャンには注目です。そして、そういうトライアルをぼくは応援しますよ!

 

 

 

境 治 プロフィール
フリーランスのコピーライターとして長年活動したのち、映像製作会社ロボット経営企画室長・広告代理店ビデオプロモーション企画推進部長を経て再びフリーランスに。2011年7月に『テレビは生き残れるのか』を出版。
ブログ「クリエイティブビジネス論」:www.sakaiosamu.com
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メールアドレス:sakaiosamu62@gmail.com

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