テレビCM復権のカギ、広告と販促の関係を理解する
テレビCMを投下してもモノが売れない・・・。
検索連動広告は費用対効果が最も効率的・・・。
店頭の対策が一番大切・・・。
店頭へ効率的に誘導するO2Oをやらなくては・・・。
たしかに最近の傾向では広告予算を削減して販促に予算が流れています。いくら広告を投下しても、店頭に商品がキチンと並んでいなければ売れないのは当然です。店頭の対策にお金を掛けること自体は間違いではありません。
しかし、広告と販促は根本的に役割が違います。当然のことながら、どちらかが不要でどちらかだけをやればモノが売れるということはありません。
消費者の顕在化したニーズを競合商品ではなく自社商品に引き寄せるのが販促(プロモーション)ですから、やればすぐに効果が出るのは当然です。それに対して広告(ブランディング)は、ニーズ自体を掘り起こす役割も担っているわけですから、効果が出るには時間が掛かります。
企業の広告費にもROIが求められるようになり、投下した金額とそれによって商品がいくら売れたのか、広告にも説明責任が発生しています。テレビCMも人ごとではなく、効果の検証が必要になっているのは間違いありません。それどころか、説明責任を果たせないからテレビCMを減らすという事が現実に起きていると思います。
しかし、そういう流れは企業にとって危険な側面をはらんでいます。短期的にしか物事を見ない風潮は反応がすぐに現れることしかやらなくなります。それが最近言われている販促費シフトの原因です。食品や飲料などテレビCMですぐに反応が現れる商品ジャンルもありますが、多くの場合はテレビCMのような広告をやっても実際の販売にはすぐには現れないものです。店頭まわりを整備するなどの販促は、直接的に販売に影響を与えるのは間違いないですが、だからといってCMをやめてしまうと長期的には失敗をすることになります。テレビCMが効かないというのならば、店頭との連携がうまくできていないか、短期的な結果しか求めていないかのどちらかの可能性があります。実は商品自体が良くないという可能性の方がずっと高いかもしれませんが・・・。
テレビは元々積極視聴というよりも受動的な視聴態度です。CMも「低注意」状態での視聴となります。たとえ人間は明確な認知効果が認められなくても、もっと言えば無意識であろうとも、CMの視聴効果が認められるという調査報告があります。長期的にCMの接触から離れていると、確実にそのブランドは忘れられてしまうという訳です。
そこをキチンと説明できるデータを提示できることが必要です。もちろん過去にもそのことを主張してきた人はいるでしょう。しかし、明らかにすることで都合の悪いデータが出てくることを恐れて、敢えて明らかにしなかったというのが実態ではないでしょうか。
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