テレビがネットに繋がる効果は意外に大きい!?
テレビでもダイレクトマーケティング?
視聴者=ユーザーとの新たな関係を模索しているテレビからすると、このZOZOTOWNのCFMは、非常に斬新で意味深く、視聴者に対してこんなことができたらいいなぁ!と思わせるものだ。
しかしテレビは所詮、1対マスの関係だ。ZOZOTOWNの真似などとても無理だと思っていたら、同じセミナーの中で、もしかしたら!と思えるようなプレゼンに出会った。株式会社ロイヤリティマーケティングの澤田伸さんによるというポイントシステムのマーケティングの説明だ。
PontaとはTポイントなどのようなポイントシステムで、今や日本最大の5千万人を超える会員をかかえ、個々の会員の購買行動のデータを握っている。しかも年齢・性別・職業などの属性データも持っている。これがテレビと結びつくとどうなるか。テレビの向こう側にいる膨大な数の視聴者の属性や購買行動がわかる。そうなるとダイレクトマーケティングができるようになる。
もちろんテレビはネットと繋がれているスマートテレビでなくてはならないし、会員とテレビを結びつける工夫も必要だが、いったん結びついてしまえば、テレビの向こう側で見ている人がどんな人なのかわかるようになる。
ZOZOTOWNで行われているような丁寧な精緻なマーケティングを、テレビを通じて展開することもできるようになるかもしれない。そんなことを想像すると、ゾクゾクするような新たな可能性を感じる。
「そんな面倒な事をして、どうやって儲けようというんだ。そんなことをして視聴率が確実に上がるのか」と批判する人もいるだろう。だが、どうやって儲けるかをテレビ局が思いつかないなら、別の様々なプレーヤーが考えればいい。面白いビジネスを見つけたプレーヤーと組んで新たなビジネスを構築してもいいし、大きなビジネスの可能性を見つけたプレーヤーにテレビ局が取り込まれる選択肢もあり得るだろう。
テレビがネットと繋がる・・・これの持つ意味はもしかすると、一昔前「ネットとテレビの融合」などと言われていた頃より、とてつもなく大きくなっているのかもしれない。
氏家夏彦プロフィール
株式会社TBSメディア総合研究所代表
テクノロジーとソーシャルメディアによる破壊的イノベーションで、テレビが、メディアが、社会が変わろうとしています。その行く末をしっかり見極め、テレビが生き残る道を探っています。
1979年TBS入社。報道(カメラ、社会部、経済部、政治部等)・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、 商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年現職。
最近はテレビの外の人たちとの人脈が増えています。
コメント
ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより
リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…
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