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201210/3

10・3【せんぱい日記】「・・・そして、ゴルフ中継を見ながらでも日中韓が気になった。」 前川英樹

9/17(月)
世の中三連休。
仕事を離れても、平日と休日は感覚が違う。感覚が習慣化しているのか、それとも世の中から離れられないのか。
中国の反日デモ激化。

9/18(火)
満州事変開始の日(柳条湖事件)。
2009年、旧満州の大連、瀋陽(奉天)、長春(新京)を旅行した。その時のことはTBSメディア総研「メディアノート」に書いた。http://www.tbs.co.jp/mri/media/media091001.html
長春の満州国皇帝仮皇居が「偽満皇宮」として保存されている。この建物の前に、「勿忘 “九一八”」と刻まれた碑がある。江沢民の筆だ。小学生たちが見学していた。この光景をどう受け止めるか、しばし足を止めていたが、上手く自分の中に落とし込めなかった思いがある。
「勿忘 “九一八”」は私たちに向けられている。

因みに、日本の敗戦で本皇居は完成しなかったが、溥儀は日本の監視・盗聴を恐れ移らないと言っていたという。

午前中、民放連研究所。
出版企画の三校原稿。校正に手間がかかったので定価がアップするという。

9/19(水)
夕方、旧満州旅行で一緒だったホープさん(村上望氏)宅(横浜)。ワインを飲みながら日中関係など。一人であれこれ思うより、こういう優れた年長者と話していると、少し気分が落ち着く。それで事態がどうなるものでもないのだが。

9/20(木)
昨日出がけに、駅前の量販店でブルーレイDVR購入の手配をした。今日、業者が搬送とセットのため来宅。ところが、作業の途中でこのハードではCATV経由の衛星が録画できないということが判明。その場で店のスタッフに電話して確認したところ、売り場の店員の説明不足だという。一つグレードの上の商品と取り換えることにして、今日は引き取ってもらう。必要情報が客に伝わらないというのは不親切だ。

9/21(金)
旧友会コンペ。相模原ゴルフコース。流石にちゃんとした良いコースだ。成績は、まあこんなもの。悪くないと思おう。
帰りに、例の家電量販店に立ち寄って、DVDの後始末。明後日、再度作業。

9/24(月)
午前中、「放送人の会」の定款について司法書士事務所で打合せ。
好きなわけではないのだが、この手の仕事は時々嵌まることがある。ある部分に手を入れると反射的にあちこちに手を入れることになるのだが、その連鎖を上手く掬えるとちょっとした快感がある。
担当の司法書士に「良い仕事してますネ」と言われてしまった。
午後、TBSメディア総研。

9/25(火)
定款修正作業。

9/26(水)
昼、新宿で雑貨買い物。
午後、TBSメディア総研に立ち寄って時間つぶしをしていたら、共同通信原氏が来訪。以前紹介したハイビジョン関係の資料を見に来てくれた。こういう縁もなかなか良い。
夜、「調査情報」編集長市川君と一献。
日中関係と日本の戦後史のことなど。屈託だらけの毎日だが、そういうことを反芻しながら酒の相手をしてくれる少し若い友人というのはありがたい。彼が編集長になるのにちょっとした縁があるのだが、結果はとても良かったと思っている。帰りに、市川君推薦の「東京プリズン」(赤阪真理 河出書房新社)を購入。

9/28(金)
朝日新聞朝刊、村上春樹「魂の行き来する道筋」と橋本治「みんなの時代」、どちらも寄稿。「そうなんだよな」と思わせる。吉本隆明風にいえば(彼らがそう言っているわけではないが)、戦後日本が到達した最も良質の部分は、庶民・大衆の<私>が国家より上位になった事だ、ということだろうか。その“良質”を世界史的にどう認識するか、あるいはどう表現するか、それが今この国の立ち位置とかレベルとかに関わるはずだ。と書いて、吉本がいたら何と言っただろうか、とも思う。

9/29(土)
深夜枠で生放送した「大炎上生テレビ オレにも言わせろ!」を録画で見る。それって、どうなの!と思いつつ、境さんポストの「ただの現在」についてのあやもとらなければ、と焦っている。

日本女子ゴルフ・オープン選手権の中継を見ていて、中国、韓国、台湾の選手たちが存分にプレーが出来ているのか気になる。
戸隠スキー場からシーズン券の申込書が届いた。

9/30(日)
朝刊のスポーツ欄で、女子ゴルフのフォン・シャン・シャン(中国)が「良いプレーに拍手をもらって嬉しかった」とコメントしている。
実況中継で、解説者がギャラリーの質の高さに触れた時、アナウンサーは“そこ”をどうしてフォローしないのだろうか。優勝インタビューでもそうだ。鈍い。それとも、そういうコメントをする本人が自国で非難されないように配慮したのだろうか・・・それほどのデリカシーがスタッフにあるとは思えないが。

昨日、今日とNHK-BSで「家族と側近が語る周恩来」(全4回)の再放送を見る。初回放送も見たが優れたドキュメンタリーだ。この手法は文革の検証でも使われていたが、証言の凄さ、魅力を引き出している。もともとは日中国交回復40年企画なのだろうが、“いま”“この状況”で再放送されることの意味は大きい。そういう意図を込めて編成されたとすれば、NHKはなかなかしたたかだ。テムジントいう制作会社は次にどういう企画で勝負するのだろう。大胆な切り口を期待してしまう。

夕刻から、台風接近。
夜半(3時ころ)目覚めると風雨ともおさまっている。カーテンにくっきりと廂の影が映っているので開けてみると、凄いほどの月光。

10月11日から、釜山で「日韓中テレビ制作者フォーラム」。領土問題とメディアの議論は避けられないだろう。

 

前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール
1964 年TBS入社 。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳の ある日突然メ ディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジとい うポストアナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010 年6月”仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にして いる。「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸隠。

 

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