「英国のテレビは面白い!」プラスの生態圏とネットメディア化(小林恭子)
―視聴者のために、今後どうするか?
モノを作る世界は、おそらく、一つの国でできたからといって、ほかの国でそのまま採用できるものではないのだろうと思う。特に、クリエイティブな世界ではそうだろう。
ただ、外から見ていると、日本のテレビ界の「負のスパイラル」は、広告主の意向や現状維持への圧力に強く引っ張られすぎている感じがする。どっちに行きたいのか分からないままに、市場の原理に流れているように「見える」。
競争をする際のものさしを、「質が高いかどうか」、「調査報道ができているかどうか」、「多様な視点が出ているかどうか」に変えていければいいのだがー。
将来の方向性や具体案は日本のテレビ界にいる方でないと、分からないかもしれない。もしあえて提案するとすれば、キーワードは「ネット」、「視聴者の利便性」、「ネット時代のテレビの意義」(コンテンツ作り)だろうか?
私がここで書いてきた、英国のテレビのいわゆる「面白さ」について、「全然共感できない」、「同意しない」、あるいは「たいした違いはない」と思われた方も、「ネット」(視聴の自由自在さ、ニュース環境のダイナミックさ)の部分のみは、ぜひ、一考していただけたらと思う。
英国のようなオーガニックなプラスの生態圏がなくても(及び「意味なし」と却下する場合でも)、視聴者のためにできることがあるとしたら、これだろうと思うからだ。
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小林恭子(こばやし・ぎんこ)プロフィール
在英ジャーナリスト&メディア・アナリスト。英国や欧州のメディア事情や社会・経済・政治事情を様々な媒体に寄稿。
著書は『英国メディア史』(中央公論新社)
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『日本人が知らないウィキリークス (新書)』(共著、洋泉社)
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など。
ツイッター@ginkokobayashi
コメント
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