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20133/6

「英国のテレビは面白い!」プラスの生態圏とネットメディア化(小林恭子)

―同業者の目

 

質の良し悪しは視聴者の反応や新聞・雑誌の批評記事で判断がつくが、その上に、同業者がどう見たのかが大きな意味を持つ。

 

テレビ界の同業者同士が雑談しあう機会の代表的なものとして、年に1度、スコットランドのエディンバラで開催されるテレビ祭がある。

 

タレント、制作者、プロデューサー、脚本家、批評家、企画を売り込みたい人、テレビ界に就職したい人など、約1000人が参加する。2泊3日のイベントで、開催中の派手な親睦会パーティーは、毎晩夜遅くまで続く。

 

飲み食いや馬鹿騒ぎ、ネットワーク作り、アイデアの交換、批評、雑談、商談などが盛んに行われる、独特な場となる。こういう機会が、制作者同士の切磋琢磨にもつながってゆく。

 

 

―多様性を重視

 

1980年代前半に開局したチャンネル4は、ある使命を与えられている。それは、「もう一つの視点を出す」番組作りをすることだ。

 

英国最初の放送局BBCが取り上げないような様々な視点を出す番組を作ることを課せられているのだ。

 

例えば今年のアカデミー賞で主演男優賞を獲得した英国人ダニエル・デイルイス。チャンネル4で放映されたドラマ「マイ・ビューティフル・ランドレット」(1985年)は、デイルイス(白人)と恋愛感情を持つ有色人種の友人とが、コインランドリーの店を始めるまでを描いた。白人と有色人種の組み合わせや同性愛など、当時のタブーに挑戦したドラマである(後、映画としても公開)。

 

それまでは白人がメインだったニュースの司会者に有色人種を積極的に起用しているのもチャンネル4だ。

 

 

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