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20131/27

1・27【EXPERIENCE体験4 – 未来のメディア CES2013編】志村一隆

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顔を判別してアナタ好みのテレビをオススメする。悲しい顔を見せたら、お笑い番組が流れる?それが未来のテレビ(中国家電メーカーのHaierブース)

 

自然を取り込むインターネット

前回、機械が世界を全て記録すると話した。
それって世界の日記みたいなもの?そーいえば、日記には「晴れ」とかその日の天気もつける。
機械が記録する情報は、こうした天気、気温、空気成分、光の加減とか、自然の情報も多くなる。

 

自然と共存する「オススメ」機能

Kindle画面の「こんな商品も買っています」。見てると「えー。買っちゃおうかな」ってワンクリックで購入してしまう。毎日押してます。いいカモです。
もし、Kindleがしゃべったら、もっと買ってしまうだろう。
このオススメ機能、元のデータはインターネット(アマゾン)のショッピング情報だ。
それに、機械が集めるお天気情報が加わるとどうなるのか。
たとえば、その日の気温を元にオススメが変わる。
「今日は暑かったですね。『ドキュメンタリー:知床半島の自然』で涼んでください」なんて。

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CES2013のベンチャーコーナーに展示されていたフランス “netatmo” 社の自宅用空気成分測定機。左の2つの測定器を屋外・屋内に設置。気温などを測定する。スマホで確認できる。データを地図上に表示して、ソーシャル温度地図もできる。こうしたお天気情報と家電が繋がったらオモシロイ。そして、メディアビジネスにも直接影響がある。

 

お天気情報で家電をコントロールする

ほかにも機械が集めるお天気情報は家の電気にも使える。
日の出の30分前にエアコンをONにする。ウチのエアコンは「6時間後」的な時間設定しかできない。それを日の出に合わせる。夜明け前に暖かく。寝覚め良さそう。
スマホの位置情報サービスも使える。自宅から3km離れたらエアコンをOFFにする。逆に、近づいたらONも可能。消し忘れも無い。
自宅付近が雨だったら、アマゾンから傘が自動で会社に届く。最寄り駅のタクシー予約が完了されてる。
ドラえもんか星新一の世界だ。
満月の日は少しだけ家の灯りが暗くなるとか。気温が15度以下だったらお風呂の温度は少し高めにとか。
他にもたくさんあるだろう。
スマホやリアルな自然情報、そして家電、LTE、WiFiなどを組み合わせると、いろいろなことを考えつく。
なんか、自然をもっと身近に感じそうな世の中になりそうだ。(ぜひコレも読んでほちぃ)

 

売れる「オススメ」と広告

「今日は洗濯日和です」
テレビの天気予報も生活に役立つ伝え方をしている。
それが、情報が繋がり始めると、伝えるだけから一歩進んで、洗濯機を動かせる。モノも買う。カモになる。
機械の「オススメ」がよく効くのはKindle使ってわかった。体感した。
広告無くてもモノ売れる。
つまりこうした動きは、広告やメディアビジネスの行く末にも直結している。

 

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スマート洗濯機。お天気によって洗い方を変える?(LGブース)

 

BORN MOBILE モバイル化 未来を動かすリモコン

情報が繋がってモノを動かす。それが “ BORN MOBILE ” が意味する「モバイル化」ってことだろう。
「モバイル化」は、機器を持ち運ぶってことじゃない。情報が、機器を動かしモノを購入させるってことを意味してる。
「コネクテッド “connected” 」=繋がるってことだ。運ばれるのは機器じゃなくて、人間の意志なのである。
そんな世界を前提にいろいろ考えようってのが、BORN MOBILEなのである。決して機器の話ではないんだね。

 

志村一隆(シムラカズタカ)プロフィール
1991年早稲田大学卒業、第1期生としてWOWOWに入社。2001年モバイルコミュニティを広告ビジネスで運営するケータイWOWOWを設立、代表取 締役就任、業界の先駆けとなる。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学で MBA、2005年高知工科大学で博士号
『明日のテレビ-チャンネルが消える日-(朝日新書)』、『ネットテレビの衝撃(東洋経済新報社)』が絶賛発売中。ツイッターは zutaka
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