●超個人的テレビよもやま話(堀 香織)
先日、facebookで「一日一本」の話を投稿したら、コメントを残してくれた友人がいたので、少し紹介する。
「うちはテレビ見放題でした。子どもの頃は毎日のように映画番組があり、映画も面白かったんですが、次週予告で一喜一憂していたのが一番の思い出。いまではケーブルで映画専門チャンネルがありますが、あの頃みたいな興奮はなくなりました。歳のせいか時代のせいかはわかりませんが。」(33歳/関西出身)
「確かに昔はお願いして約束までして楽しみに見ていたね。土曜の夜に『8時だョ!全員集合』を見て、日曜の夜にアニメを見ると、週末が終わったと感じたのを覚えている。いまは録画ができるから、子どもたちはあのとき僕らが感じたような気持ちにはならないだろうな。」(52歳/関西出身)
「僕にとっては『11PM』。釣りにゴルフに麻雀に、と、巨泉さんが優雅に遊びまくっているのを見て、粋なオトナとはこういうことか!と教わりました。でも今、思い起こすと、お色気コーナーを見たかっただけかも。当時『親は早く寝てくれ!』という気持ちでいっぱいでした(笑)。」(50代/四国出身)
2歳年下の妹にも当時のことを尋ねた。楽しみにしていた番組は『ザ・ベストテン』『不良少女とよばれて』『はいすくーる落書』『男女七人夏物語』。彼女には現在8歳の娘がいるが、テレビは許可制で、勝手につけてはいけないことになっているという。
4歳年下の弟の場合は、世界名作劇場、松本零士作品、高橋留美子作品、北条司作品、タツノコプロ作品などのアニメ番組や『オレたちひょうきん族』などバラエティが好きだったという。
そして母が決めた「一日一本」については、妹は「特に守っていなかったと思う」、弟は「ぜんぜん覚えてない」と答えた。きょうだいでこのルールをずっと守っていたと思っていたのは、単なる私の思い込みだったようだ。
ともあれ、誰にとっても帰宅が待ち遠しいテレビがあった。親に内緒で見ていたテレビがあった。教室で話題にのぼるテレビがあった。テレビはアイドルと直結しており、テレビと曜日はイコールだった。
そんな時代がいまはひどく懐かしい。
堀 香織(ほりかおる)
フリーライター。1971年石川県生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業後、雑誌『SWITCH』の編集者兼ライターに。6年勤務ののち、フリーとなり、インタビュー原稿の執筆や単行本の取材・校正などを行う。現在、某映像制作プロダクションに在籍し、デスク兼リサーチャーとしても活躍中。
blog「夜想小話」http://holykaoru.exblog.jp/
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