「いよいよスタート!のドタバタで実感したネットと放送との違いとネットの凄さ」 -氏家夏彦
このエントリは管理人として「繋ぎ」のつもりで書き始めたのですが、書いているうちにテーマになってしまったので氏家夏彦としての記事にします。
リリース直前まで、タイトルのレイアウトがPCによって異なってしまう事への対処などで本当にドタバタしましたが、ほぼ正午(誤差はコンマ数秒)に開設できました。タイマーをセットしておいたのでこんなに正確にできたのですが、考えてみれば別に褒められる事でもないし自慢できる事でもありません。11月1日のしかも正午にスタートしなければならない理由はないし(自分で覚えておきやすいくらいかな…)、ユーザ(ほとんどいない)に迷惑もかからないし、スポンサー(いない)に損害も与えません。でも、何月何日の何時にスタート…と決めると、それを是が非でも実現しないととても“嫌”だと感じてしまいます。
テレビでは当たり前の事ですが、放送に番組の納品が間に合わないなんていう事態はあり得ません。それこそシンデモ間に合わせます。巨額のスポンサー料もありますし、監督官庁の厳しい管理もありますが、それ以前に「放送人として絶対に守るべきルール」、「こちらからは姿の見えない視聴者との破ってはいけないルール」なんだと、テレビ人間としての本能に強く刷り込まれているのだと思います。
ところがネットではそんなに厳しい縛りはありません。まぁ経済規模があまりにも違うとかユーザー数が比較にならないくらい少ないとかの理由はすぐに思いつきますが、なんか、もっと根本的なところが違うような気がします。「なぜ○時でなきゃいけないのか?」「ちょっとくらい遅れたってどんな影響があるんだ?」「本当に絶対ダメなのか?」という疑問は、テレビ人間は持ちません。が、きっとネットの人たち(特にグーグルとかの中の人たち)は、普通に素朴に疑問を持つのでしょう。
今のネットの威力の凄いところは、機能とか利便性とかインタラクティブなどの表面的な事もあるでしょうが、実は、当たり前だと思ってきた決まり事に対して正面から疑問をぶつけることが当たり前になっている点じゃないでしょうか。そういう考え方というか、よって立つ基盤の劇的な変化こそネットの凄さなんじゃないでしょうか。
特に近年、これまでは絶対に正しい…と思われてきたものが、その信頼を失うという社会的現象が次々に起きています。マスメディアも巻き込まれてたりしておりまして、中にはとんでも陰謀論もありますが、真髄を実に鋭く突く見方もあります。(このあたりを見分けるメディアリテラシーも面白いテーマなんですが、長くなるのでまたにします。)
まぁ何というか固定観念・既成概念に対して疑問を持つようになっただけ、人間の知的レベルが1ランクUPしたとも言えるのでしょう。きっとこれはネットのおかげだし、ネットのホントに凄いところだと実感させていただいたブログスタートの顛末でした。
前川せんぱいから次の執筆者への繋ぎのつもりで書き始めたのですが、ちょっと長くなってしまいました。次の方はTBSの外の人です。お楽しみにお待ちください。(それまでに前川せんぱいや私がエントリしてしまうかもしれませんが…)
氏家夏彦プロフィール
1979年TBS入社。報道・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年TBSメディア総合研究所社長。ダイエットのため走ってます。週末はセーリングに出てます。はっきり言ってゲーム・アニメは大好きです。ツイッター始めました。
ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより
リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…