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20129/7

9・7【『SASUKE』世界規模で人気沸騰中! 最新米版は5千万人超視聴、シンガポール版も大成功!】杉山真喜人

 

『SASUKE』の世界的人気拡大が止まらない!

まずはアメリカ!米版“Ninja Warrior(ニンジャ・ウォリアー、以降:NW)”の最新シリーズ“American Ninja Warrior(アメリカン・ニンジャ・ウォリアー)”シーズン4(ANW4)は、現地7月23日(月)、米地上波NBCで午後9時からのゴールデンタイム(G帯)2時間スペシャルで全16話(1時間×6話、2時間×9話、3 時間×1話)の放送を締めくくった。

ANW4は、約1ヶ月間、アメリカを横断する形で3都市(ロサンゼルス、ダラス、マイアミ)で予選を敢行。決勝はラスベガスのストリップ大通り沿いに緑山スタジオの『SASUKE』セットを再現し、予選を勝ち抜いた計100人により行われた(現地詳報は、あやとりブログ、6・16【テレビ海外展開の実態…TBS『SASUKE』、空前のスケールの世界展開!】で)。不夜城ベガスでの決勝の模様を収録した最終回は、広告主と局サイドが最も重要視する男女18~49の視聴者層において過去4週間で最高の視聴率に達したほか、全視聴者数も過去3週間で最大を記録。特に番組後半の午後10時からの視聴率は、全視聴者層でABC、CBSを抜いてトップに躍り出たほか、男女18~49歳層では、ABCとCBSを足した視聴率も上回った。さらにNBCの前年同時間帯比でも86%の大幅増となった。

今回のANW4全16話は、地上波NBCとケーブル局G4の両局のG帯で10週間にわたり放送された(NBCで9話、G4で7話)。複数の全米ネットワークで、同じシリーズが同時期にG帯で放送されるのは史上初めて。最終回以前の各話視聴率も、軒並み全視聴者層で同時間帯2位や18~49歳層で1位を記録、好調さを維持し尻上がりに視聴率が伸び、最終回で有終の美を飾るかたちとなった。NWは2006年のアメリカでの放送開始以降人気が急拡大、これまでにReebok(スポーツウェア)やSUBWAY(外食チェーン)、米国TOYOTA、Dodge(車)等々、大手スポンサーを獲得し、既に記録的視聴率をいくつも叩き出している。また、ANWシリーズも回を重ねるごとに規模が拡大、前回シリーズANW3も大成功を収めたが、今回のANW4は、前シリーズの実に3倍以上にあたる延べ約5,600万人が視聴、シリーズ最大規模の大成功を収めた。

一方、アジアでも『SASUKE』人気が拡大している。アジアでの現地版制作は、昨年、マレーシアで国家支援プロジェクトとして『SASUKEマレーシア』が成功を収めているが、今年はアジア現地版制作第2弾として『SASUKEシンガポール』がデビューした。シンガポールで現地版を制作するのは、同国の総合メディアグループ「メディアコープ」が運営する地上波のメイン・チャンネルの一つ『Channel 5(チャンネル・ファイブ)』。

シンガポールでは、すでにNWが同局で放送されているが、現地でアメリカ版の人気が高まっていることと、隣国マレーシアでの現地版制作の成功が、フォーマット番販による、今回のシンガポール現地版制作に繋がった。初回放送は、シンガポールの独立記念日8月9日(木)、同国の一大イベントのパレードの直後の枠で放送されたこともあり約70万人が視聴した(同国人口は約520万人)。以降は毎週水曜の午後8時からのG帯で現地放送中で人気を博している。

またソーシャル・メディアでも『SASUKE』(Ninja Warrior)の注目度は急上昇!ツイッターやFacebookにも、連日のように世界各国からコメントがアップされている。これまでに確認されただけでも、『アメイジング・スパイダーマン』でヒロイン役を演じたエマ・ストーンやコメディアンのクリス・ロック等ハリウッドの大物俳優や、世界最高峰ロックバンド『コールドプレイ』 を始めとする歌手などのアーティスト、MLB(大リーグ)やNFL(アメフト)、NHL(ホッケー)、ボクシング、オリンピックのメダリストを含む有名アスリート(多くはシーズン中)、キャスターやコメンテイターを含むジャーナリスト、等々、各界の多数の著名人達からも、性別や職業を問わずANW4に関するさまざまなコメントが発せられた。これら著名人の多くが数万人から数十万人(中には数百万人)規模のフォロワーがいるアカウントを持つことから、コメントが長期間リツイートされ続けるなど、無数の一般ユーザーを交えネット(SNS)空間も多いに賑わっている。シンガポールでも、『SASUKEシンガポール』を意味する#SasukeSGのハッシュタグ付きのツイートが初回放送の8月9日に溢れ、同日、いきなり同国でトレンド入りを果たした。2話目以降は水曜日G帯でレギュラー放送されているが、放送開始以来、毎話連続してトレンド入りしている。また、Facebookの“Ninja Warrior”ファンページは、すでに73万人超のファンを獲得(9月第1週現在)、日々ファンが増え続けている。

米版“Ninja Warrior”を含む『SASUKE』は、新たに4ヶ国増え、これまでに累計157ヶ国・地域で放送されており、販売先はアジア、欧米各国をはじめ、旧共産圏やアフリカ、中東、中南米諸国など世界5大陸に及んでいる。現地版が制作されたマレーシアやシンガポールでは、既に『SASUKE』関連のイベントが何度も行われているほか、前述のアメリカやアジア以外にも、欧州や、意外なところではトルコや南アフリカでも人気上昇中だ!

日を追うごとに認知度も人気も世界的規模で拡がっている『SASUKE』。この現象がいつまで続くのか、またどこまで人気拡大するのか、実は誰にも分からない。今後の動向に要注目、そして乞うご期待!

・・・・・・・・・・・・・・・・

これまでの『SASUKE』の海外展開については、あやとりブログ内、6・16【テレビ海外展開の実態…TBS『SASUKE』、空前のスケールの世界展開!】にもまとめてある:http://ayablog.com/old/?p=19769

また、TBS番組の海外での展開を中心とする関連情報は、海外からの声(ほんの一部ではあるが)と合わせて、ツイッターの公式アカウントでも紹介している:
https://twitter.com/#!/TBS_prosales

 

【参考情報】
TBSオンライン・カタログ: http://www.tbs.co.jp/eng/programsales/index.html
American Ninja Warrior”公式サイト: http://g4tv.com/anw/index/
米G4、Facebook公式ファンページ:
http://www.facebook.com/ninjawarrior#!/ninjawarrior?v=wall

 


杉山真喜人(スギヤマ マキト)プロフィール
TBSのコンテンツ海外販売を担当して18年目。「しあわせ家族計画」「風雲!たけし城」「未来日記」「SASUKE」等、多くのTBS作品の輸出を手がける。TOEIC965点。国連英検特A級。TBSにアナウンサーとして入社する前には、日米合作映画「MISHIMA」(プロデューサー:フランシス・コッポラ&ジョージ・ルーカス)の監督付きアシスタントをした経験もある。本業の傍ら、バイリンガル・ナレーターとしてCMやビデオの声の出演も多数。

 

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