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20111/24

面白い“あやとり”を紹介!でも難問がひとつ」 ― 管理人

管理人の氏家です。
ことの発端は、メディアの近くに関わっている阿部圭介さんから前川せんぱいへの一通のメールでした。
(※)今回は、私の記述部分と他の方のメールの引用部分が交互に出てきてわかりにくいので、私の記述部分を斜体とします。

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前川様
(一部省略しています)
さて、今回はあやとりのリクエストです。
先週1月13日付毎日新聞19面、「60年代のリアル 東大生が再考する」という連載は、
「テレビの革新/ジャズ的メディアの模索」という見出しでした。

見出しだけでも分かる通り、テレビのリアルとは何かを追求した取り組みに言及しています。そして、そうした方向性が現在ではインターネットを舞台に模索されているのではないかと指摘する。しかし、その帰結はどうなのか。現にテレビは、挫折しているが……、という内容です。
これは、まさに当事者であった前川さんはどう答えるのか、アンサーがうかがいたくなり、メールした次第です。いかがでしょうか?
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そして、その記事を読んだ後の前川せんぱいのリアクションです。

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阿部様
毎日新聞の記事を前に困惑しています。
第一に、阿部さんのメールに「ちょっと甘い」という見方があるとありましたが、確かにゼミのレポートを読まされたような気分で、どうコメントすればいいのか戸惑います。
第二に、彼の言う(あるいは連載担当者が思っている)”リアル”という言葉が何をもってリアルと言っているかが不明なのです(連載を読み続けていれば分かるのかもしれませんが)。佐藤君?の書いていることから推測すると、テレビは勿論「ニコ生にもホントのリアルなんかきっと生れなはしない」となります。では、ホントのリアルはどこにあるのか、そもそもないんじゃないか、そうだとすると「メディアは永遠にリアルから切り離されて終わるのだろうか」と「テレビマンさんたち」に問うのはチョッと違うンじゃないの、君の言うリアルとはなんなんだい・・・ということになります。
「その道の終着点」が「『世界ふしぎ発見!』とか、見慣れた作品」・・・ということをもって「ジャズ的メディアの挫折」と括るのもどんなもんでしょうね。この「どんなもんでしょうね」を明らかにするのも結構エネルギーが要ります。また、かつての「ジャズ」的なるものは「リアルの復活」を目指したものではないでしょう。これも書くとすると大変。
ただし、彼の指摘でとても同感する部分もあり、かつてテレビが目指した「ジャズ的」なるものが、「今も舞台をインターネットに変えて模索され続けている」という点です。つまり、ネットがテレビ的ということにテレビの危機があるということはまさにその通りでしょう。

彼がテレビの過去と現在についてどのように思うかは自由だし、それが例えば私の考えと随分違っていてもそれはそれで構わない。むしろ当然。それに触発されて、私がコメントしたければ、折角ご紹介いただいた機会ですし、そうしたいところですが、今回は(今のところ)何か書こうという意欲につながらないのです。
軽く批評する(時代のズレ見たいに)というわけにもいかず、一つずつ論点を明らかにしながら書くというのもくたびれそうで、確かに自分が60年代のテレビに関わったとはいえ、この記事にどういうわけで向き合わなければならないのか、その立ち位置が不明なのです。折角「あやブロ」に関心を持って頂いたのに、申し訳ないのですが、今回は見送りにしたいと思います。
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とこんな具合に、“お断り”の割には中身の濃いレスを返した前川せんぱいでした。
私(氏家)はこのやりとりをCCで横から覗いていたのですが、やり取り自体が相当おもしろいコンテンツだと思い・・・

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前川さま
なんだかもったいないですね。
阿部さんがどんな返事をよこすかわかりませんが、元記事とこのやりとりを、そのままUPできたら面白いのに…
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と、おねだりをしました。すると前川せんぱいは・・・

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阿部様
先ほどの「見送り」メールについて、氏家君から「このメールのままでどうだろうか、チョッともったいない」というリアクションが来ました。あんまり正面から向き合うのはどうも気乗りがしませんが、少し斜めで何とかなるか、つまりさっきのメールベースで、形になるか考えます。
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と、ちょっと乗り気になっていただけそうです。そして阿部さんも・・・

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前川様
実は私も、氏家さんと同じようなことを考えていました。家に帰ったらメールしようと、構想を練っていたところです。
改めてメールいたしますが、その気乗りしない感じをもそのままさらけ出すのが、ブログ的なpublishなのかなと思っていました。
後ほど、もう少しまとめてお返事いたします。
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そして、阿部さんから来たメールを次のエントリーとしてUPします。
このエントリーのタイトルにある「難問」は、これを読んだユーザー全てが感じていると思いますが、「元になった毎日新聞の記事を紹介できるのか?」です。Web上に存在するならURLを表記すればいいのですが、残念ながらありませんでした。これから毎日新聞さんに、記事をそのまま当ブログに載せていいか聞いてみます。

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