あやぶろ/OLD

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20134/17

全録機ガラポンTVでテレビ視聴率が上がるぞ!

 

『ガラポンTVで視聴率が上がる!』かもしれない!まぁ、テレビ離れしている人が、視聴率モニターとなっている可能性は低いだろうから、視聴率向上にすぐさま直結するとはならないだろうが、近年明らかに減ってきているテレビの視聴時間が増えるきっかけになるかもしれない。

 

また全録機が普及すると、テレビ番組のキュレーションという新たなムーブメントが起きるだろう。インターネットには情報が玉石混交で氾濫している。そのほとんどは石ばかりだ。そこでキュレーションが必然的に生まれた。インターネットでキュレーションが可能なのは、情報がストックされているからだ。キュレーターがリコメンドした情報はいつでも見に行ける。

 

しかしテレビはどうだろう。テレビメディアではコンテンツは究極のフロー状態だ。毎日膨大な量のコンテンツがひたすら流れて行く。後で見ようと思っても、録画していない限り不可能だ。しかし全録機が普及すれば可能になる。

 

「テレビはつまらないから見ない」と言っていた人たちも、テレビ番組のキュレーションが行われれば、自分にとっての玉を見つけられるようになる。その玉を全録機で見て気に入れば次回はテレビで見るようになるかもしれない。特にガラポンTVではその可能性が高い。

 

ガラポンTVとキュレーションによって「テレビを見る価値」が高まるのだ。テレビメディアの価値が再発見されるのだ。

 

「ガラポンTVより高画質の全録機ならリアルタイム視聴につながらないじゃないか」という意見もあるだろう。しかし高画質の全録機は値段が高い(今のところは)。よっぽどのテレビ好きでないと買わないだろう。一方、ガラポンTVは安い上に、杉本さんも書いているようにUX(ユーザー体験)がインターネットと同じ感覚で味わえる。つまりネット民が使い慣れたインターネットと同様に、抵抗なく使えるのだ。テレビ離れをしているネット民が、ネット上で「ガラポンTVってこんなに面白い」という情報を目にしたら、この値段なら「買い!」となる可能性は十分ある。

 

ガラポンTVが普及して、このところ嫌われ気味のテレビの面白さが再発見され、ついでに視聴率が上がり、広告収入が増えればいいなぁ。

 

 

 

氏家夏彦プロフィール

株式会社TBSメディア総合研究所 代表取締役社長
テクノロジーとソーシャルメディアによる破壊的イノベーションで、テレビが、メディアが、社会が変わろうとしています。その行く末をしっかり見極め、テレビが生き残れる道を探っています。
1979年TBS入社。報道(カメラ、社会部、経済部、政治部等)・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、 商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年現職。
最近はテレビの外の人たちとの人脈が増えています。
Facebook、Twitter(本名で)やってます。

 

 

 

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