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20114/25

あやぶろの「舞台裏」を少々・・・ 管理人

管理人の氏家です。
新しいあやとらー、矢野さんが加わったのがきっかけで、あやとらーの間でいくつかのメールのやりとりがありました。あやとりブログでは、新しいポストはこうしたメールのやりとりが交わされることで生まれます。

今回は試みとして、この舞台裏をちょっとお見せすることにしました。
4月19日にやりとりされたメールです。

**************************************************************

16時12分 前川せんぱいのメール
矢野さん
初投稿ありがとうございました。
ぼくは”せんぱい”という肩書の前川です。何故こんな肩書かというと、昨年6月でTBSメディア総研の仕事が終了し、どういう名前でエントリーするか思っていたところ、TBS「調査情報」の優れた編集者金子登起世さんが「それは”せんぱい”でしょう、しかも平仮名がいいな」と言ったので、こうなってしまいました・・・それにしても、肩書ってなんでいるんでしょうね。
皆さん現役で忙しいのに、僕だけ時間に余裕があるので、投稿回数が多くなっています。もともと、7年前にメディア総研のHPを開設した時に「更新しないHPなんて意味ないよ」、と言われて以来更新恐怖症になのです。
ソーシャルメディア世代から遠くはなれた立場なので、皆さんと少し論点がずれ気味かもしれませんが、ご容赦ください。
で、さっそく矢野ポストのあやを取りたいところですが、珍しく一件抱えている案件があります。ちょっと待ってください。
その間、誰か矢野ポストへのリアクションお願いします。

さて、ここで今度は皆さんにお願いです。
大震災から一月余、ダメな指導者のもとでも、人々は生きていかなければならないという状況が続いているように思います。それが、被災地の”リアル”な生活レベルだけでなく、情報においても、政府情報やマスコミ情報とは違う情報空間の機能と役割が大きな意味を持っていると思います。
これについては、僕も多少のことは分かっているつもりですが、具体的にどんなサイトで、どんな言説が飛び交っているのか、「とりあえず、ここにアクセスしたらどうですか」「これは知らないでしょう」というのを教えてください。
今まで”せんぱい”として書いてきたことは、いわば20世紀的世界だなと、我ながら思います。そこを少し抜け出したいのです。
感覚的なものはリカバー不能かもしれませんが、「なるほどね」というくらいは分かると思います・・・無理かなァ・・・。

氏家管理人が、このメールも「あやブロ」にしませんか、といいそうですが、その場合はもう少しカッコよくリライトします。

17時12分 矢野さんのメール
前川さま
 お世話になります。カフェグローブ矢野でございます。
「せんぱい」のナゾがとけました(笑)。これからどうぞよろしくお願いいたします。
 また、下記おたずねの件ですが、震災以前から、既存メディアとソーシャルメディアの比較や位置づけ、今後の展望などを書かれていて、欠かさずチェックしているのが歌田明弘さんのサイトです。(週刊アスキーの連載を確か一週間後に転載)

http://blog.a-utada.com/

 ご参考までですが、どうぞよろしくお願いいたします!

矢野

17時52分 管理人・氏家のメール
前川さま
前川さんのメール、最後まで読んだところで思わず噴き出してしまいました。
まさに、「このメール、そっくりポストとしてUPさせてください!」とお願いしようと思っていたので。
矢野さんへの自己紹介は、ユーザーにとっても喜ばれるというか、「せんぱい」の謎も解けるし、ポストが多い理由も自然な形で理解できますし、情報募集は、ユーザーへの呼びかけとしても面白いと思います。
(管理人は大変になりますがサイトが活気づくなら労は厭いませんw)
前川さん、是非、ご検討ください。

氏家

17時53分 志村さんのメール
こんにちは。原稿です!先週ラスベガスに居たのでその経験を「記録」しました!少し矢野さんのあやとりもしました。(管理人・注;前回あやぶろポストの原稿の事です)
せんぱいの情報空間ですが、自分の感覚を申しますと、どこかにまとまってる場所がある感じではないです。場所はなく情報が飛び交っていて、それをツイッターやフェイスブックがキャッチして知るという雰囲気でしょうか。
ただ震災後、新しいと思ったのは最近、新聞記者の方が記者会見の一問一答を署名でウェブにあげています。たとえば、

http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011041100011.html

言論というか、一般の人が撮影した震災の映像、知られざる東電のサイトとか。
そういった素材がネットで話題になってるなぁと思ってるとテレビや新聞で流れ始める感じです。たとえば、このページとか。
@stopHamaoka
東京電力の英語版公式サイト、どこからもリンクの貼られていないページに、海外メディア用の写真や動画が大量に置かれていました

http://t.co/VOJlLet

よろしくお願いします!

志村

17時56分 前川さんのメール
矢野さん
早速ありがとうございます。トライします。

氏家さん
ウーン、考えます。割と格好から入る方なのでね。

前川

18時45分 前川さんのメール
志村さん 氏家さん 皆さん

正に<特定の場>ではなくて、アメーバ状に情報がやり取りされているところが、Web的=21世紀的だということは分かっているつもりです。でもね、これまた感覚的と言えばそうなんだけど、20世紀的人間からは入口が見えにくいということも確かにあるのです。
どこかから上手く入れれば後はどんどん広がるということでしょうね。そこが見えないとWeb世界はカフカ的になりかねない、だから「高齢者のためのネットリテラシー」は難しい。口はばったいようだけど、僕でさえそうなんだから、とブツブツ・・・。

ところで、月刊「ニューメディア」の吉井さんからの案内で、志村さんもNAB報告会
で報告するんですね。御苦労さま。

23時5分 阿部さんのメール
氏家さま、前川さま、あやとらーのみなさま
阿部です。

そうですよね、こういうのはあまりリライトせず、即興のセッションのごとくその時々の流れをそのまま出すのがいちばんブログ的だと思います。舞台裏をすらも表舞台の商品にしてしまうのは、むしろ80年代フジテレビの得意技だったのかもしれませんが。
よく練って書いた文章と、即興の文章、これらの混在もまた、面白いのかもしれませんね。
と、今回は火の粉が飛んできそうもないと安心し切って、たまにはメールに出てきました。お目汚し失礼いたしました。


4月24日13時29分 前川さんのメール

前川です。
一言二言付けたしました。
その上で若干の感想です。
矢野さん、志村さんに教えて頂いたサイトを覗いてみました。
1.夫々におもしろかった。まず、歌田明弘さんの「地球村事件簿」で、マスコミの鳥の目、ネットの虫の目、という言い方は結構良いかもしれないと思いつつ、でもね「世界的には、その鳥の目を虫の目ネットワークが包み込もうとしているのかな」とも思い、「それって、入れ子構造だよな」(「あやブロ」2/18参照)とも思いました。
2.志村さんが紹介してくれたサイトを見て思ったのは、「いま、ネットの情報空間は宇宙生成の時のように、無数の物質=情報が入り乱れている中で、それらの衝突の中からいくつかの核が形成され、それがまた別の核と連動あっているみたいだ」ということでした。
3.指導者がダメでも人は生きていかなければならない、と以前に書きましたが、そのためにはやはり何らかの情報が必要で、その時ツィッターはかなり有効な手段として機能したということも感じられました。マスとソーシャルを組合わせる知恵を人々は持ち始めている、ということは素晴らしい。もちろん、それってこの大災害以前からとっくに始まっていたことだけど、こういう時であればこそ、<自立>して生きるための、つまり国家が当てにできない状況での情報行動がハッキリしてきたのか、とも思いました。
4.メディア問題に関心の強い弁護士の田中早苗さんが、今回の災害報道において民放ローカル局の健闘を評価していました。ローカル局の現場は、もう一つの虫の目でしょう。

以上、追伸みたいなものです。

前川

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最後は阿部さんにうまくまとめていただき、UP寸前に届いた前川せんぱいの“追伸”を加えて、このようなポストになりました。
あやとらーの皆さんのメールのやりとりは、それ自体がコンテンツとして面白いというか内容が濃いので、いつも「このままポストにしたいなぁ」と思っていました。そういえば「手紙」も、それ自体に文学的な価値が認められていますよね。メールは手紙に比べれば書き手の字の個性もないしインクの滲みもなく、確かにずいぶん味気なくなってますが、内容次第では十分コンテンツになると思います。今回、ようやく念願がかないました。またチャンスがあれば、このようなポストをあげてみます。

管理人 氏家夏彦

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