あやぶろ/OLD

テレビの中の人による唯一のテレビ論、メディア論ブログ

© あやぶろ/OLD All rights reserved.

201312/19

【せんぱい日記】アルティザン鴨下信一のこと、“ソーシャルメディアはテレビを救わない”ということ、など

12/10(火)
昼、葬儀告別式。

 

夜、第2回「あやブロナイト」。
ツィッタ―社フロアーで食事はケータリング、飲み物持ち込み。
“ソーシャルメディアはテレビを救うか”
話は少しグルグル回りだったが、結構活発な意見が飛び交ってまァ成功か。

 

この頃、こういう企画に参加するとしばしば「最後に“せんぱい”一言」と言われることがある。ありがたいといえばありがたい。確かに、参加者のなかでは年長だし、そういう言葉には敬意というより親しさを感じる。そう思ってくれることに感謝。
で、今回も「まとめを」と言われて、こんなことを発言した。

 

  1. (前回の論点の確認だが)テレビにとって、客=視聴者が見たいモノを見せるというのは制作者の基本ではない。何故ならば、客は何を見たいかを明確には知らないからだ。それが分かっていれば、マーケティングをチャンとすれば良いだけの話になる。
  2. 何よりも大事なことは、作る側が「何を伝えたいか、見せたいか」というメッセージ性を持つことだろう。それが視聴者が「見たいと思っていたはずのもの」に届けば、彼らは「ああ、こういうものが見たかったのだ」ということになる。
  3. いま、テレビにはそのような制作者の<想像力>が問われている。その<想像力>が機能する場としてテレビが存在すれば、(前回も言ったが)テレビはこれからも存在し続ける。
  4. 前回のまとめの最後に、「テレビはこれからも<放送用周波数>というインフラに関わり続けるべきか」という問いを出したが、今回はそれを巡る議論があったのはとても良かった。
  5. インフラ(ハードとしてのメディア)は情報に形を与えるが、情報はメディアを選択する。放送用周波数、特に現在でも放送ビジネスの基本になっている地上波のネットワークがどのように情報に形を与えるか、そしてどういう情報が地上波ネットワークを選択するかという相互関係はやはり大事だと考えられる。
  6. ただし、その場合広告ビジネスという観点で考えれば、いつまで<局-代理店-クライアント>というトライアングルが成立するかということは考えるべきだろう。何故ならば、情報社会に生きているのは局や代理店だけでなく、クライアント自体が情報環境に鋭く反応しなければならないのであって、というよりクライアントこそ<情報>と具体的に向き合っているのであって、情報のリアリティーという意味では局の方が遅れているのではなかろうか。局とクライアントという直接的関係は、局にとってこそ必要なのではないだろうか。
  7. もう一つ。テレビというメディアは生れた時から二つのテーマを持っていた。それは誕生の時から自覚されていたものではなく、今思えば「そうだったのだ」というものである。
    一つは、「世界中のあらゆるところから、同時に情報発信すること」、この場合「あらゆる」とは地理的意味だけでなく、政治的・文化的に危機的状況、娯楽の発生している場所、あるいは例えば人体の中からというように、まさに<あらゆる>ところから<生で>という意味ある。
    もう一つは、「先行する映像メディアである映画よりも高精細な映像表現を獲得すること」である。ハイビジョンの登場で、ようやく“そこそこ”のところまできた。4K、8Kはそういうテーマのもとにある。但し、伝送路との関係が見えないとプロダクション(制作)ツールとして成立するが、メディアとして果たしてどうか。ここでも、インフラとの関係が問題になる。
  8. この二つのことは、テレビが活字や映画などの先行メディアに向き合った時の軸であったが、ネットに対してもその軸は変わらないだろう。何処まで出自のテーマを背負い続けられるか、そこが問題だ。
  9. そう考えると、今日の<あやブロナイト>のタイトルは「ソーシャルメディアはテレビを救うか」となっているが、“ソーシャルメディアはテレビを救わない、テレビを救うのはテレビ自身でしかあり得ない”、ということになる。私はそう思う。

 

その場の<まとめ>としてこんな風に整理された話にならなかったけれど、概ねこんなことを感じていたのだった。

 

12/11(水)
11時CATV連盟。
「放送人の会」への賛助会員入会と「日韓中テレビ制作者フォーラム」(2014.9.横浜)への支援要請。旧知の石橋顧問に概略説明の後、昼食。その場に西條理事長が来合せたので食後にオフィスに戻り懇談。即断で協力の意思表示があった。ありがたい。色んな事がタイミングよく進んだ。
民放とケーブル業界は区域外再送信問題などでかなりややこしい関係が続いてきたが、石橋氏とは会話が成立していて随分助かった。西條氏も住商時代にTBSの番組のアジア配信事業<JET>などで面識あり。
NHKとケーブル業界は難視解消や受信料徴収、地域ニュースでの協力など民放とは全く状況が違う。放送人の会の監事で元NHK放送総局長河野尚行氏の話題など。「河野さんはなんて言うかなぁ…」「金曜の忘年会で会うでしょうから聞いときましょう」、など。
その後、放送人の会事務局立ち寄り。

 

12/12(木)
「TBS<6>の会」コンペ。太平洋相模。

 

12/13(金)
午前中、いわゆるベンリ屋さん型の業者が庭の手入れ、剪定。
2時間作業と枝葉の処理で13,000円。
夕方、テレビマンユニオンで「日韓中」関係打ち合わせ。今野、渡辺、長沼、工藤、前川。
18時から「忘年会」。青山。
河野氏にケーブル連盟の話をしたら「それは良かった」。
二次会は道玄坂近くのワインバー。

 

12/14(土)
何もせず。

 

12/15(日)
冬掃除ウィーク初日。
流し、ガスレンジ、換気扇、風呂場など。布団も干した。

 

午後はゆっくり。
夕景が綺麗だ。冴え冴えとした冬の空に宵の明星。
凄みがある。

 

前川5

 

 

 

前川英樹(マエカワ ヒデキ)プロフィール
1964年TBS入社。TBS人生の前半はドラマなど番組制作。42歳のある日突然メディア企画開発部門に異動。ハイビジョン・BS・地デジというポスト アナログ地上波の「王道」(当時はいばらの道?)を歩く。誰もやってないことが色々出来て面白かった。その後、TBSメディア総研社長。2010年6月” 仕事”終了。でも、ソーシャル・ネットワーク時代のテレビ論への関心は持続している・・・つもり。で、「あやブロ」をとりあえずその<場>にしている。 「あやブロ」での通称?は“せんぱい”。プロフィール写真は40歳頃(30年程前だ)、ドラマのロケ現場。一番の趣味はスキー。ホームゲレンデは戸隠。

ページ:
1 2

3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2014年 7月 05日
コメントするためには、 ログイン してください。

20146/18

そこに、パースペクティブ=展望はあるか?2014年の論点⑤

停滞する民主主義が進化する途 ワールドカップの中継番組の瞬間最大視聴率が50.8%だったそうです。このニュースを見…

20146/18

そこに、パースペクティブ=展望はあるか?2014年の論点④

ストレンジなリアリティー:ガンダムUC ep7を見て考えたこと 『機動戦士ガンダム』は30年以上前に、フォーマット…

20146/17

情報“系”の中のテレビジョン

6月は、いろんなことがある。 会社社会では6月は大半の会社の株主総会の季節だから、4月の年度初め、12月の年末とともに一つの区切りの季節だ…

20146/16

テレビというコミュニティ。あやブロというコミュニティ。

あやとりブログに文章を書くようになってかれこれ二年以上経ちました。2011年に出した『テレビは生き残れるのか』を読んでくださった氏家編集長か…

20146/13

ワンセグ全番組タイムシフト視聴は視聴率を下げるのか検証してみた〜ガラポンTV視聴ログより

リアルタイムの放送をテレビで視聴する人が増えることは良いことです。 言うまでもなくこれは「視聴率が上がる」ことを意味します。 &nb…

ページ上部へ戻る