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20134/15

全録機・ガラポンTVは意外に怖いぞ!(氏家夏彦)

ガラポンTV参号機については、機能は事前に聞いていた。しかし実はあまり期待していなかった。何しろ自宅の普通の録画機には膨大な番組が録画されているのだが、見るのが面倒で満杯状態が続いている。一方、当たり前だが、全録機はユーザーが録画する必要がない。見たいと思って録画した番組でさえ、結局見ないで録画機の肥やしになっているのだから、録画したいと思わなかった番組がどれほど膨大に蓄積されていようと、ほとんど見ないだろうと予想していた。

 

ところが全録機を使い始めて僅か数日で、この認識は間違っていたと痛切に反省しております。全録機の利便性をこれほど強く感じるとは予想もしてなかったです。

 

ただし不満もある。画質に関してはこの値段なのだからいたしかたない。それのこの画質だから出先でもネット経由で簡単に見られる。それより物足りないのは検索機能だ。検索の決め手は、どれだけ詳細な番組メタデータを利用できるかだが、今のところガラポンTVはワード検索では番組タイトルでの検索しかできないようだ。例えば「古代進」とか「森雪」とかで検索をかけても何もヒットしないが、「ヤマト」でやると一発で「宇宙戦艦ヤマト2199」と出てくる。この辺の機能が充実されると、使い方がグッと広がるような気がする。

 

・・・と書いたが、Facebookで指摘を受け、ワードでの検索ができることがわかった。電子番組情報検索の中の、字幕データ内検索を使えば「古代進」で「宇宙戦艦ヤマト2199」がヒットした。お詫びして訂正させていただきます。でも僕にはちょっと使いにくいな。デジタルネイティブ世代ならもっと楽々使えるのかもしれないけど。

 

それと今回、改めて思ったのは、全録機は怖いぞ!ということだ。何しろテレビは視聴率がメシのタネだ。視聴率を獲得するというのはいわば時間の奪い合いだ。全録機がこれだけ面白いとすると、普及し使われる可能性は高いのではないか。見方によっては全録機で番組への関心が高まり、リアルタイム視聴に繋がるという考え方もできるかもしれないが、まぁどちらかというと全録機に時間を奪われる可能性の方が高い。当然、視聴率は下がることは覚悟するべきだ。その上で全録機をテレビ局の味方につける方法については、これまもこのブログに書いているので、ご関心があれば読んでください。(なお「怖い」というのはあくまでリスペクトとしての意味です)

 

氏家夏彦プロフィール

株式会社TBSメディア総合研究所 代表取締役社長
テクノロジーとソーシャルメディアによる破壊的イノベーションで、テレビが、メディアが、社会が変わろうとしています。その行く末をしっかり見極め、テレビが生き残れる道を探っています。
1979年TBS入社。報道(カメラ、社会部、経済部、政治部等)・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、 商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年現職。
最近はテレビの外の人たちとの人脈が増えています。
Facebook、Twitter(本名で)やってます。

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  1. 2013年 7月 12日
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